巨匠 今村昌平死後６年 楢山節考の「節」がバラード？対談させたら面白いと思うのが今村昌平 北野武 西部進 野坂昭如 大島渚の５人である。今村氏はすでに故人、野坂氏と大島氏は脳梗塞でリハビリ中であるから、現実には不可能な話だが、仮に可能であると「思考実験」してみると、私の陰陽五行学説の独断的解釈によれば、今村 西部 北野が連合軍（とすれば）、野坂 大島は内部闘争している枢軸国の様相を示すだろう。西部氏と野坂氏、大島氏は喧嘩になる。後者二人は内輪もめで更に喧嘩する。そこで武（タケシ）がでてきて「まあ、シャンシャンしましょうよ。シャンとね」とか言って手打の仲裁役になり、大御所の今村氏が「いろいろ視点ありますよ。私も模索中です」と一刀両断して会談は早々と終了しかける。放映時間を大幅に残し「まずいな、これ生（なま）なんだよな。熱いまんまで、コマーシャルいれても足りないぞ」となる。司会者が気を回し、閑話休題という「さし水」のつもりで、「今村先生の楢山節考が英訳されてバラード オブ 楢山ってなってるんですが、バラードでいいんですか？」と発言する。わけのわからぬ呟きが続いて、武（タケシ）が再度まとめ役で「百万本の薔薇、薔薇 バラバラですね。チャンバラでもバラシでもいいじゃないですか。バラット仲直りしまショ」とかなんとか「一人で楽しんで」いるものの、他の４人は考え込んでいる。そこで番組のスポンサーの一つ韓国調味量のメーカーから伝統味噌の「コチジャン」と「マッコリ」が振舞われる。この時は朝鮮戦争に倣い、西部氏も野坂氏も一時休戦して「くさい顔」を共同宣言する。うろうろする女性アシスタントに武（タケシ）が「そっちじゃないじゃん、コッチジャン」とか笑いを誘うが、その「一人で楽しむしかない孤独な才能」は、即笑するのに時間がかかる４氏に対して、やや「暴力の論理」に傾き「バカヤロー、鉄砲玉くらいやがれ！」と「心理的発砲テロ事件」へと発展する。各自の帰路で野坂（ノサカ）は「ソッソ ソクラテスかプラトンか～」、「マリリンモンローノー リターン」から「男と女の間には～暗くて深い河がある～」を起想するに及んで、他の３氏よりいち早く「これがバラードだ」と気づくものの、本家の今村氏でも気がつかない。一人で「思考実験」を楽しんでいたわけでなく、私にも楢山節にはバラードは似つかわしくないという思いがある。今村氏が尊敬した黒澤明監督のファンであるフランシス コッポラは学生時代に、ノーベル文学賞を「特例」として黒澤氏に授与すべき、という旨の手紙をノーベル事務局へ送ったと伝承されている。コッポラの「ゴッドファーザー」のニーノ ロータ による主題曲（サウンドトラック）の一部はリフレインであり、物語風のバラードであるが、「変調」する意味でバラードではない。もう亡くなってしまった尾崎起世彦の「ゴッドファーザー 愛のテーマ」を聴いてもらえば理解できる。「ラストエンペラー」の坂本龍一氏のそれは歌詞がないもののバラード的であり、野坂氏作詞歌唱の「黒の舟歌」♪男と女の間には深くて暗い河がある 誰も渡らぬ河なれど エンヤコラ今夜も船を出す ローエンドロー ローエンドー振り返るなローロー・・・♪がバラードである。敢えて加えるなら「五木の子守唄」である。♪おど～まかんじん か～んじん あん人た～ちゃ よかしゅ よかしゅ よ～か～お～び よかきもん～♪ 民謡としての楢山節ならバラードも容認できることだが、、 段落をわざと省いてみた。読みにくいし、打ちづらい。本日の漢方市民講座 メロディの「節」は勿論無いが、節が付く生薬名は存在する。松節ソンジエ 帰経は肝腎 祛風燥湿 通痹止痛に働く。（松の節である。戦時中、油を絞って石油の代用品としようとしたが、無駄骨、徒労であった）ヤニ臭いので使用経験はない。藕節オウジエ 帰経は 肝肺胃 収斂止血に働く。（蓮根の節の部分である）炭にして使う、活血作用もある。連結部分（節）は物と物をくっつける力があると古代中国人は考えた。臭くはないが、使用経験はない。読みにくいままに稿を終える。お疲れ様でした。「ご苦労」と言い放つ殿様のような視線を私は持ち合わせていない。中国語では「辛苦了 シンクーラ」と言う。
八月二十七日 記