永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

2Bえんぴつと画用紙。

2010-05-20 19:21:16 | アート・文化
今日、東朽網市民センターで画を描く会に出る。東朽網は童謡の里である。これに通ずる童画で、東朽網を図にしようと言う図画の会で地域のみなさんと共同で絵を描くという得難い機会に恵まれる。
図を描くと言う行為はある特定だけの人のものではない。図はだれでも描ける自由な表現行為である。
画用紙に2B鉛筆でみなさんが思い思いに鉛筆を走らせている。じっと観ていると、手の動きからうまれる線はさまざまで個性がある。その人、その人の個性がよくわかる。ぼくには描けない線なのである。
2Bは芯が柔らかいから手が動く。紙に引っ掛らない。鉛筆の芯は手の動きで描く人の個性が表面に出てくる性質を持っているものだ。柔らかいということは表現したい事を手の感触に託し、手と2B鉛筆が互いに反応しあうことによって生まれる筆致と筆圧で思い描くことができる触感の技の世界なのだと思う。書道におけるそれに近い。
図を描く会は童画がポイントになっている。人は各々にナイーヴな個性を持っているものである。人の人生はいろいろだから表現も様々である。画用紙と対峙して、図を描く東朽網の人たちのお顔はいきいきと明るく、アルファ波が出ているのがあたりの空気感でよくわかる。
図を描くことによって言いたいことをメッセージにして表現することが言葉となって、そのかたちが視覚言語となる。それが童画なのだと思う。