永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

黒田神社鶏楽・神幸祭。

2013-04-23 06:34:30 | 日記・エッセイ・コラム
代々みやこ町黒田に伝わる黒田神社鶏楽・神幸祭が20日、21日に行われました。にわとりを真似たにわとり楽を奉納する儀式のお祭りです。天気はとても良かったのですが、冷え込みがありました。
黒田楽(にわとり楽)は、300年以上もの間、中断することなく受け継がれて、現在はこの伝統行事を絶やさないよう子どもたちに継承しているそうです。
子どもたちがかわいらしく横笛、太鼓、鉦の音色に合わせてリズミカルに、黒田天満宮の境内で、車座で舞い踊ります。舞いの中では、にわとり楽の由来を昔ながらの言葉で述べています。踊りの輪の中に楽師匠の方が、大うちわを持ち子どもの楽に調子を合わせながら、舞を導きます。
踊りに祈りをこめて春の青空にふさわしく清々しいお祭りです。

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遠い時代の流行りもの。

2013-04-19 14:30:14 | 日記・エッセイ・コラム
竹久夢二デザインの楽譜です。表紙は和紙に木版画、中ページの楽譜は凸版活字ですが、カットすべてが木版画です。
夢二は大正時代の流行作家です。いまで云うイラストレーター的画家です。ぼくは夢二の絵はあまり好きではありません。描かれている絵の背景になんだか死の匂いというか、虚無感の気配を感じるからです。作家は自分の生きているというか、生きている実感みたいなものがないと、描かれる世界は相手に伝わらないと思いますが、夢二の絵にはそれが感じられないのです。
この楽譜は38年前くらいに、小倉南区の若園にあった古本屋の主人から買ってもらえんかと頼まれて購入したものです。いまはその古本屋も主人もなくなってしまいました。ぼくはよくその古本屋で古い画集や写真集を買っていたので、店の主人がついぼくに頼んだんだろうと思います。当時、一カ月分給料と同じくらいの値段でした。


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童謡小曲選集/竹久夢二デザイン 昭和2年、東京京文社発行







展覧会と表現

2013-04-14 06:46:25 | 日記・エッセイ・コラム
日展のチケットを貰ったので福岡市立美術館に行きました。日展は初めて見ました。というのも今まであまり興味が無かったので見る機会がなかったのです。知人のご主人様が書道の部に入選されお誘いとチケットをいただき、見る機会ができました。
膨大な作品数をぐるっと観覧すると、これまた膨大な人、人でした。みんなあこがれを持って食い入るように見ています。権威のある団体展だから動員数がすごいのでしょう。
ちょっとつかれた余韻をのこして会場を出て、赤坂の方へ足をのばして、けやき通りにあるヘイズギャラリーで開催されている『ジャスパー・ジョーンズ展』を見ました。このギャラリー展は予告から楽しみにしていました。
ジャスパー・ジョーンズのアートは九州では目にすることができませんでしたので、美術ファンにはたまりません。展示はエッチッグ作品です。
60年代にムーブメントをおこした生活の日常にある道具や物を即物的に捉え表現する行為にアートを感じるポップアートの旗手ジャスパー・ジョーンズの作品に、あらためてぼくのからだにびびっと感電しました。


春、うららかな時間。

2013-04-05 06:09:39 | 日記・エッセイ・コラム
八幡で仕事をすませて、帰りの電車に枝光から八十過ぎくらいの老夫婦がゆっくりとした足取りで乗車してきました。お二人ともふっくらして、年を感じさせないおシャレな装いは品の良い感じ。車内は午後三時すぎの時間帯、ぼくをいれて四人。のんびりした時間の空間です。
老夫婦の主人は座席に着くなり暖かい車内につられたか、うたた寝を始めた。電車が小倉に到着すると、奥さんが席から立ち上がるが、主人はまだ気持ち良さそうに眠っています。
『お父さん、着きましたよ』と、奥さん。『ああ』と、ふわっとしたように目をあける主人。ゆっくりと足を確かめながら電車を降りていかれました。
仲の良さそうなおふたりと車内のゆったりした時間。ここにも春がありました。