永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

源泉を辿る小倉の文の路。〈ボヘミアンの旅風景?北九州小倉北編〉

2012-01-31 21:00:06 | アート・文化
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画:北九州市立文学館。〈C〉著作権者: 永野宏三・ひろみプロ


一月はあっという間に経ってしまいました。いつものことながら、月日が経つ度にどうしてこんなに早いのかなと思います。暦の上にも旅は続きます。                     
浅野から、また小倉城の方へと戻りました。小倉の中心街を通り抜けて紫川沿いに市庁舎前の北九州市立文学館まで歩きました。
市庁舎前からの文学館の眺めは、中央図書館とT字型に棟続きになっていて、チューブ状の屋根が実にユニークで、SF映画に出てくるような宇宙基地みたいにも見えます。隣接する勝山公園の大芝生と連なって光景はダイナミックな景観になっています。この建物は一時代ポストモダンで一世風靡した建築家のデザインによるものですが、時代が過ぎると過去のモニュメントになっているように見えます。大芝生の公園に樹木が少ないのにはちょっと気になります。文学館の建物は以前は歴史博物館だったところで、北九州市が輩出した名だたる多くの文学作家の貴重な資料が集約されていて一望に展覧できます。
勝山公園はまだまだ寒さがありますが、寒さの隙間に陽が照っているので親子連れが芝生の丘陵で遊んでいました。
文学館を後に同じ城内にある松本清張記念館に向いました。館のことは以前ブログで紹介しましたが、現在開催中の特別企画展『いつもカメラを携えて~松本清張が愛したカメラとその時代』を観覧することにしました。というのも、この企画展のグラフィックデザイン設計をわたしが担当したので会場を見たかったこともあります。
企画展では写真にも造詣の深い清張さん文学のある一面を垣間見ることができました。その資料と貴重なカメラの歴史も観覧することができて、二重に見ごたえがありました。
ミュージアムショップで文庫本『対談集?松本清張・発想の原点』を購入しました。この本の中で清張さんが、取材でカメラを用いることが多いがカメラフレームの中だけで風景を捉えているとフレーム枠外のことが印象に残らないので、結局はメモやスケッチに描いて記録するというような意味のことを語っていました。企画展の後の余韻で興味深かったです。
対談の中でも筒井康隆さんとの掛合いがおもしろかったです。筒井康隆さんの講演会は小倉で以前聴いたことがあります。清張さんの講演会も昔、小倉井筒屋で聴いたことがあります。この本の対談の中、作品づくりにおける互いのパラドックスの部分で拮抗するところが個性のあるおふたりらしく、またまた更におふたりのファンになってしまいました。




小倉港フェリーターミナル。〈ボヘミアンの旅風景?北九州小倉北編〉

2012-01-30 09:52:59 | アート・文化
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小倉港フェリーターミナル。〈C〉著作権者: 永野宏三・ひろみプロ


厳しい寒さが続きますが、日曜日はささやかですが陽の光が射す小春日和でした。しボヘミアンの旅も年をまたぎ随分と歩きました。
小倉駅北口浅野のコンベンション地区に隣接するフェリーターミナルです。高層ホテルやアジア太平洋インポートマート、北九州国際会議場を背景にした小倉港を、砂津泊地向こう岸の末広からスケッチました。コンベンション関係の建物はランドマークになっていて、遠くからも目立っています。小倉港からは松山行き、市営渡船馬島・藍島行きのフェリーが出ています。









浅野。〈ボヘミアンの旅風景?北九州小倉北編〉

2012-01-27 12:57:02 | アート・文化
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浅野。〈C〉著作権者: 永野宏三・ひろみプロ


JR小倉駅北口から浅野に出ました。一帯はコンベンション地区です。年代はわからないのですが、浅野と云う地名の由来はこのあたり一帯の土地の所有者であった実業家の浅野という方の名前からついたそうです。40年前くらいまでは材木の貯木場になっていました。現在の街並からすると今では考えられないですが、えんえんと材木が積み上げられていました。海が近くだから船から材木を陸揚げしていたのでしょう。現在は199をつなぐ大きい道路がありますが、当時は新幹線口前の道路が本線でした。ほとんど人通りがなく、他に倉庫街と公団住宅があるくらいでした。現在の展示場1号館がある場所のあたりには小学校がありました。
コンベンション地区の中でもAIMはここの中心的存在です。見本市や展示会が常時開催されています。




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壁画絵“あそびのはくぶつかん”。〈C〉著作権者: 永野宏三・ひろみプロ



AIMの3階には“子育てふれあい交流プラザ”もあり親子連れで賑わっています。ここ3階の通路には子どものために制作された9つの巨大な壁画があります。
そのうちのひとつに私が描いた童画作品“あそびのはくぶつかん”が壁画になっています。AIMにお立寄りの機会がありましたらぜひご覧ください。かなりの巨大な壁画です。














小倉駅北口界隈。〈ボヘミアンの旅風景?北九州小倉北編〉

2012-01-24 19:57:21 | アート・文化
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小倉駅北口界隈。〈C〉著作権者: 永野宏三・ひろみプロ


小倉駅南口から構内を通り小倉駅北口に出ました。因みに現在、小倉駅南口と小倉駅北口の名称が新しくなっているらしいのですが、正式な名称がわかりません。
小倉駅北口の空中回廊デッキからの眺めは、ホテル、ショッピングビル、展示場、国際会議場、病院などの施設を望むことができます。斬新なデザインの建物をつなぐ変化のある回廊。風景の起伏が随所にあり街の形状になっています。
 日本バブルの余韻が残る20年前くらいになるでしょうか、街全体に複合的な性格を持たせた新しい街として集客を図った街づくりのひとつの地域です。
その後、新聞報道などによるとこの何年か、経済状況での変化もあって集客に伸び悩んでいたようですが、以前あったファッションビルに近くメディアアート(マンガ)ミュージアムを誕生させて集客を図るようです。ソフトで新たに再生を図るということなのでしょう。このようなマンガミュージアムは全国どの都市にもあり規格的な発想ではありますが。
でも、どこの都市に行っても街の表情が同じですね。やたら上へ横へ巨大な建物が伸びて、一時期建築に見られたポストモダントというか訳の解らないコンセプトでデザインが街をつくっていました。地方都市もご多分にもれず形が同じです。こういう街のデザインにはわたしはあまりピンときません。それぞれの規模は違いますが、東京も横浜も福岡も小倉もみんな同じ街に見えます。経済を回すためには、全国統一規格的なデザイン建築物や街のほうが効率がいいのでしょう。人間が古いからかもしれませんが、もう少し小倉らしい発想で個性のある街があってもいいのかなと思います。






60年代の思い出光景と小倉駅と都市モノレール光景。〈ボヘミアンの旅風景?北九州小倉北編〉

2012-01-22 07:41:51 | アート・文化
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 きのうは大寒でしたが、そんなに寒さは感じなくボヘミアンの風景探しはいつもと変らないペースで町の採集を続けました。
足立公園から砂津に戻り、ちょっと休憩をしようとシネコンで封切りの『ALWAIS。三丁目の夕陽』を観ました。三本目のストーリーはわたしの世代が味わった60年代をそっくりそのまま再現していました。早速、記念映画グッズを買い求めました。好みになかなかのGOODでした。



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映画館を出た後、スケッチブックと絵の具の調達で久しぶりに小倉都心に出ました。
平和通り交差点頭上をモノレールがシュルシュルと走っているのを見たのは久しぶりです。歩の方向を駅に変えて風景探しのポイントを小倉駅にしました。
JR小倉駅の構内から、モノレールがすうっと空中を抜けるように走り出します。子どものころ見た、少年雑誌の口絵に描かれたSF絵画のようです。駅と空中回廊で繋ぐ向いのビル繋いで、この街に行き交う人々で賑わいを見せています。