永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

秋の一場面。

2010-09-30 15:09:59 | アート・文化
秋の季節はいろんな場面にストーリーがあるから好きです。
イメージがふくらむのもこの季節なのではないかと思っています。
なんとなく自然の風景に惹かれるのもこの季節ですね。





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雨宿り。〈C〉永野宏三・ひろみプロ



あの頃の貌。

2010-09-29 15:59:27 | 日記・エッセイ・コラム
朝のはじまりにFMラジオのスイッチをつけたら、甘く透明感のある声で「♪星よりひそかに 雨よりやさしく あの娘は唄っていた 知っているいる お持ちなさいな いつでも夢を いつでも夢を 歩いて 歩いて 悲しい夜更けも あの娘の声が流れている~♪」、懐かしい橋幸夫さんと吉永小百合さんのデュエット曲『いつでも夢を』が流れてきた。なんだか時間が逆回転してしまった。今の時代の音からするとぼくの頭の記憶の階調からすると、もうすっかり消えてしまっていたメロディーが蘇ってきた。音の復刻である。
この曲はぼくが小学校6年か中学1年のころの唄だったと思う。ラジオからのゆったりとしたテンポに乗ってみずみずしく歌詞がすぐ口について出た。「♪知っているいる お持ちなさいな いつでも夢を いつでも夢を~♪」。
歌詞は当時の時代がつくったものだから、今となってはずいぶんとテーマが素朴である。そして自分の歳を気づかせることになる。
あの当時の芸能人の顔は眉毛は濃く、キリッと引き締ってしていたような顔していたような記憶があるが、今の芸能人さん達の顔は男も女もやたらと眉毛が細く、髪型もユニセックス風のウェーブがかかってフワッとしてクルクルと外巻にしたような髪になり欧米人を装ったつくりになって、髪の色も茶系になっているし、まつげは大袈裟にピンと反り返り、顔の皮膚感もつるんとした小奇麗な顔だちになってあまり個性としての主張を感じない。どの人の顔も同じに見える。一般人も同じようなルックスになってきている。
意外と昭和の顔だちのほうがいきいきしていたような気がする。



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秋の一日。〈C〉永野宏三・ひろみプロ


モダン都市、夢・モジコウ。マルチアーティスト“柳瀬正夢”。

2010-09-27 15:07:06 | アート・文化
9月25日付の西日本新聞に北九州市立美術館館長さんが“柳瀬正夢(やなせまさむ)”について講演されたことが紹介されていた。柳瀬正夢を多面体アーティストとして貴重な作家であるので今後調査をしていきたい旨のことを云っておられる。
ぼくはこのブログで何度か“柳瀬正夢”の美術活動のことを書いたが、地元北九州市ではその活動がほとんど知られていなく公的美術館でも学芸的に紹介されたことはない。ぼくは友人達に“柳瀬正夢”の凄さを紹介するが誰もあまり興味を示さずじまいで、そのうちに紹介することをもうあきらめていた。
先進的に山口県立美術館では22年前に『1920代日本展』で活動の一部である舞台美術アートが展覧され、10年前くらいには福岡県立美術館で『柳瀬正夢展』でまとまったマルチアーティストとしての作家活動を展覧されたことがある。柳瀬アートファンのぼくは何れの展覧会も観に行った。そしてなぜ地元北九州の美術館は取り上げないのか不思議に思っていた。この春、新しく北九州市立美術館に赴任されたらしい館長さんが“柳瀬正夢”に目を向け取り上げられていることに心強く嬉しくなった。戦前・戦中と時代を先取りした“柳瀬正夢”は日本の美術界の歴史の中で特筆するにふわさしいアーティストなのである。
“柳瀬正夢”は今で云うマルチアーティストである。1900年に愛媛県に出生し、1911年に福岡県門司市(現北九州市門司区)に転居、3年ほど門司に居住。幼少時代は親を早く無くす不遇な時代であったらしい。門司で高等小学校を卒業した後に上京、美術学校で学んだ後、読売新聞社に勤務。一貫して美術活動を行っている。その活動は多彩で時事漫画、グラフィックデザイン、舞台美術、フォトアート、文学による作家活動をしている。新宿で空襲にあい僅か45歳で亡くなっている。
“柳瀬正夢”の作品はいわゆる当時のムーブメントである未来派モダニズム思考がデザイン作品には顕著に表れている。戦時中は活動に弾圧を受けたりしているが不屈の精神でアート活動をしている。
戦前戦中と一局に経済・文化とあらゆるものがが集中していた門司。それは“モダン都市・モジコウ”であると云っても過言ではない。当時GNPが東京よりも門司が高かった都市・門司は華であったに違いない。少年“柳瀬正夢”は門司時代に小倉で観た絵画展でアートの何たるかに目覚めたらしい。国策による近代国際港湾都市としての目覚めから覚醒する門司と、門司の3年ほどの活動でアートに覚醒する人生を歩みはじめた少年“柳瀬正夢”が重なって見える。





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ネオン・サイン。夢の町・モジコウ。〈C〉永野宏三・ひろみプロ


鉄道。秋景色。

2010-09-26 12:19:01 | 旅行記
やっと秋らしくなってきた。完全に蝉の音もしなくなった。山口の小野田・宇部・徳山方面を山陽本線普通電車で沿線景色をスケッチする。途中宇部から宇部新川線に乗り換えて遠回りしてみる。山口の電車は九州の電車と違って車内もどこか雰囲気が違って、遠いところに旅しているような感じになって楽しめる。車窓からの光景はのどかでのんびりとしていて九州とは違う。山並は遠くに感じる。沿線は早くも稲刈りをしているところがあり、光景に秋を感じることができる。車内には鉄道マニアらしき人の姿を何人か見る。ぼくは鉄道マニアではないが、在来線でしかも普通電車からの光景を眺めるのとスケッチするクロッキーに腕の訓練を兼ねているのが目的。名物のかまぼこ・ちくわ・ういろうを買って帰る。門司駅に着いて帰りの陽が落ちて夕暮れ近くになると長袖のシャツを着ていてもちょっと肌寒く感じた。


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山陽本線。車窓からの風景。〈C〉永野宏三



心象風景を描く。『日田彦山線・採銅所駅』。

2010-09-23 13:36:11 | アート・文化
ことしの福岡県美術協会会員展に作品『日田彦山線・採銅所駅』を出展しました。風景画というより心象風景としての『日田彦山線・採銅所駅』です。この駅が好きで好きでいつかは絵にしたいと思っていた駅です。現在は無人駅になっていますが、なかなか風情のあるノスタルジックな佇まいをみせています。
福岡展は福岡県立美術館に於いて県展と同時開催で9月26日(日)まで開催展示中されています。北九州展は北九州市立美術館に於いて11月2日(火)から11月7日(日)まで開催展示されます。


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2010年度/福岡県美術協会会員展出展作品『日田彦山線・採銅所駅』・〈C〉永野宏三





ことしの第66回福岡県美術展覧会“県展”福岡展の広報デザインツールはわたしが担当しました。ポスター・チケット・図録表紙・会場サインとトータルにデザイン&アートディレクションをしました。イメージは欧文でタイトルをタイポグラフィックで展開しました。シンプルに表現しました。図録表紙はわたしの童画イラストレーションで福岡県の北九州市“門司港”をテーマにした絵で表現しました。



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第66回福岡県美術展覧会“県展”福岡展の広報デザイン&アートディレクション・永野宏三
上から、ポスター・図録・チケット・サイン  
主催及び出版:福岡県美術展覧会実行委員会