永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

デザインプロローグ。

2015-06-25 12:48:14 | 日記・エッセイ・コラム
十数年ぶりに高校時代の商業デザインクラブのOB会に出る。
このクラブはいわゆる部活で、美術部ではなく商業デザインクラブというところがユニークなところである。高校は商業課程の学校である。クラブ発足の云われは、当時、これからの商業経済活動にデザインが必要になってくるだろうと取り入れたらしい。図案から商業美術、そして、商業デザイン。現在でいえばグラフィックデザインである。部活ではあるが、外部から来ていたプロ講師の指導をうけていた。
授業よりも課外のデザインクラブでの修行に熱中していた。OB会でもそのことに話題が集中して盛り上がった。卒業後は美大やデザイン専門学校に進むものもいたが、何人かは広告代理店などに就職して即実践活動をした。ぼくもその道を選んだ。
OB会で集まったのは、ぼくの先輩であるIさんを追悼するためである。Iさんは六年前に不治の病で61歳の若さで逝ってしまった。Iさんは天才肌の人で一目おかれていた。芸大受験のため上京するが失敗、その後、デザイン会社に勤務の後、自身のスタジオを持つ。高校生時代はプロのデザイナーも舌を巻くほどにすごいデザインをしていた。そしてクラブ員に影響を与えていた。
皆が研鑽しあうためのクラブだった。ある零度の技術水準を持っていた。OB会に集まったみんなはほどよく齢もいっていて、酔いにまかせて昔話しに華を咲かせる。
高校時代。少年期の暑苦しいの熱気に満たされた三年間。その時の時間が体内に今も流れている。