永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

あの頃に。

2009-06-29 09:45:43 | 日記・エッセイ・コラム
中学生時代からの友人N君から電話がある。昨年10月の同窓会に会った以来だ。あれから九ヶ月も経っている。とにかく月日が過ぎ去るのが早いような気がする。その間に僕は何をしていのだろうと振り返ってみると、さほど、これといったこともない。ただ季節の変化、節目にカレンダーを確認していたような気がする。
N君と東京オリンピックの時代の話しになる。町には生活の匂いがあり、子どもも町に住む人との会話があったことが、N君と話していると記憶から蘇ってくる。互いにあの時代は充実していたと確認する。時々、帰れるものだったら、現実には不可能だがあの時代に帰ってみたいと思う。映画やドラマでは物語りの中の昭和を再現しているが、N君との会話の中では、なぜか体験として一気にあの時代に戻ってしまうのである。
まだ、町の中を電車が「チンチン、ガー」と走る光景。夕方になると隣の家から漂ってくる晩ご飯のおかずの匂い。どんなに街や住む家など生活が便利になっても僕はこころの中までにはあまり馴染まない。やはり、僕らのからだにはあの時代が染み付いているのだ。

パソコンに消える記憶をメモにする



芸術家。

2009-06-25 10:21:30 | 日記・エッセイ・コラム
版画家のH.Iさんから二年ぶりに電話がある。いつもどうしていらっしゃるのかなと案じつつ、ついついその内にお伺いをと思っていた。以心伝心とはこういうことなのか。思っているころに周波数が一致して繋がる。H.Iさんはセリグラフも手がけたいと意欲を出されていた。東京やニューヨークの版画界やアートの話しに広がる。30分ほど長話をする。「こんどH先生のアトリエにお伺いします」と言って電話を終える。いつもH.Iさんとお話をしていると、僕も絵を描かないとH.Iさんに遅れるとあせってしまう。齢が23ほど違うが、H.Iさんは、いつもはつらつとされていてお若い。

受話器の向こうにいつも顔がある



伝説の道具。

2009-06-24 16:17:48 | 日記・エッセイ・コラム
引出しの文房具を整理していたら、15年前くらいまで使用していた製図道具が出てきた。太刀鋏と烏口、ディバイダーがまだ机の中に眠っていたのだ。すっかり忘れていた。烏口がむしょうに懐かしい。15年前と言えば、その頃はドイツ製のロットリングなる製図ペンがあったが、直線をコンマ以下で描く時はやはり烏口が便利だった。線がみだれないし、版下用紙の上をスルスル走らせることができた。太刀鋏は写植や紙を加工するのに一刀で切ることができ、真直ぐな線を切ることができた。ディバイダーは内田洋行製だ。何れも今から見るとレアものだ。
手を動かしてデザインを設計することは、頭から手に信号が送られて、道具がインターフェイスとなり自在にイメージを膨らませることができる。パソコンはあらゆるツールが便利にあるかわり、手を動かして製図する楽しさはあまり感じられない。今の時代となっては社会がコンピュータで繋がっているから、パソコンで製図しないと仕事にならないから、しかたなく道具として使うが、かたちをつくるには、だんぜん烏口や筆を使って色を塗ったり、鋏を使ってカラーシートを切ったりした方がデザインに膨らみが出てくると思う。

手が動く メディアといえば 太刀鋏
Rimg0013



伝達の通り道。

2009-06-19 14:20:28 | 日記・エッセイ・コラム
今日の読書、“市村佑一+大石慎三郎著「鎖国・ゆるやかな情報革命」”。鎖国時代の異国から船の交通手段で入ってくる情報の取り方と、現代のインターネット社会での情報の取り方は受信手段こそ違いがあるが、背景にあるものは好奇心と未知への好奇心か。福岡のあるウエブ会社から広告バナーに掲載しないかとしつこく勧誘をされる。都会の大きい市場では頭うちになっているから、地方の片田舎の事務所にまで手を広げているのだろうか。伝達は仮想インターフェイス。チャンネルの選び方が大事なように思う。タテ糸は複雑に絡み合うヨコ糸の糸くずまでに侵蝕している。

情報の籠に乗る人かつぐ人 



雲の上と下。

2009-06-16 15:19:31 | 日記・エッセイ・コラム
解決しない相変わらずの宙に浮いた年金記録。診療報酬アップ。メタボ政策の強要による医療費の抑制。健康促進どころかストレスアップのこの頃、こんどは郵便不正事件に絡む虚偽公印公文書作成容疑でエリートの逮捕。またまた暴走してしまった。行革どころか国民の意志からこの国はどんどん離れていく。サボタージュしている根元はどこにあるのだろう。民間でも小さいが似たようなことはある。なにもかもが亡国の道へ走っているような気がする。マニュフェスト?私という個人にでもにわかるような言葉が欲しい。

どうなった あれよあのこと 誤魔化して