15年も使っていないトレスコープを大型ゴミ回収に引き取ってもらう。長いこと仕事場にスペースをとっていた。使用していないトレスコープの上は物置きになっていた。いつもはその姿を目にはしていても意識していない状態のたんなるオブジェ。いつかは処分しなければと思っていたが、やっと部屋からその姿がなくなった。聞けば、同業デザイナーもみんな処分に困っていてそのままにしていると言う。引越さない限りは仕事場に置いたままなのだろう。デザインも作業がトレスコープからパソコンになって15年ほどになる。すっきりした仕事場は以前とはすっかり雰囲気が変わってしまった。業者さんの引き取り料、しめて3000円也。業者さんはトレスコープを見て、「これは何に使う機械なんですか?」と首を傾げる。ぼくが、「トレース作業と大型カメラみたいな便利な機械」と説明しても、理解している風にはなかった。はじめて見る機械らしかった。