三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

目覚まし時計の修理

2023-01-22 19:59:02 | 日記
昨日知人から目覚まし時計の修理を頼まれました。と言うか,その時計を見てわたしの方が修理したくなったのです。まず,その外観をご覧ください。

昔懐かしい形です。直径10cmほどの標準サイズですが,やや小さく見えます。
背面です。

アラームのねじ巻き(赤四角)時刻合わせのつまみ(赤丸),それに裏蓋のねじ(赤ハート)が2本欠損しています。赤丸の上のねじ巻きで時計のゼンマイを巻き上げますが,この時計,巻き上げができません。空回りです。(ゼンマイが切れている?)

さっそく裏蓋を開けました。

右下の方にテンプが転がっています。ひげゼンマイが無残な姿です。しかし,切れてはいないようです。
また,右上には伸びきったゼンマイが見えます。これは破断していると思われます。

内部を取り出しました。

テンプはご覧のとおり(赤楕円)ひどい状態です。しかし,これは時計の心臓部。これを元どおりにしないと時計になりません。
悪戦苦闘の末,元の位置に納めました。

なかなかいい感じですが,素直に動きません。その他の機構に問題が残っているのでしょう。

つぎはゼンマイの修復です。ねじ巻きで巻き上げても空回りするのでゼンマイが切れているに違いありません。どのように修復するかはその切れ具合によります。
まずはゼンマイを引き出します。

なかなか大変です。一番大切なことは怪我をしないことです。安全第一で慎重に進めます。
ゼンマイを最後まで引き出しました。すると,切れていないことが分かりました。単に軸から外れていただけです。

上の写真の赤丸で囲んだ部分がゼンマイと軸との接続点です。軸に突起があり,ゼンマイに穴があいているのでひっかけて巻き上げます。
何度も繰り返してようやくひっかかりました。

さっそくゼンマイを巻き上げようとしたのですが,巻き上げてもすぐ戻ります。つまり,逆転防止が働いていないのです。歯車の爪は問題ありません。とすると,無負荷になっているのか‥‥。
機械を丹念に調べると,‥‥ありました。変なところが。

主軸(赤矢印の先)が軸受け(赤丸)から外れています。
細長いペンチで強引に元の位置に戻しました。

上の写真でお判りいただけますか?これでゼンマイの巻き上げができるようになりました。

組み戻して修理完了。

まだなじんでいないのか時々止まります。リハビリが必要なのですね。
背面の時刻調整用つまみは電気の丸形圧着端子(赤丸)を差し込みました。何とか使えます。

また,欠損していた裏蓋の固定ねじは新品をねじ込みました。

しかし,これほどひどい状態の時計は初めて見ました。テンプが外れているのは見たことがありますが,主軸が軸受けから外れているのは初めてです。さらにゼンマイも‥‥。何か大きな衝撃が加わったためだと思われますが,それにしては風防ガラスが割れていないのが不思議です。

以上


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