先日ご紹介した昔のラジオを鳴るように手入れを始めました。
まず,背面の蓋を外して内部を見てみましょう。

以前の記事ではこのラジオを「高一(1)」と書きました。上の画像を見て高1だとわかる人はすでに還暦を迎えたか人か,そうでなければマニアに違いありません。
もう一度写真をご覧ください。真空管(ST管)が4本ささっています。そのうちの2本にはシールドケース(と言っただろうか?)がかぶせられています。また,バリコンは2連です。IFT(中間周波トランス)は見当たりません。この時点で高一(高周波一段ストレート受信機)だと想像がつくのです。
もう少し見てみましょう。左側に見える銀色の塊は電源トランスです。FUSEという文字も見えます。その右の真空管には3YP1と表示されているのですが,認められますか?6ZP1は知っていますが,3YP1は初めてのような気がします。しかし,良く似た型名なので同種の球でしょう。また,マツダとありますが,これは後に東芝になった電器メーカです。電源トランスの奥に見える国連本部のような物はブロックコンデンサだと思われます。ケミコンとも呼んでいました。電解コンデンサです。
さて,内部を引き出して見ましょう。下の写真です。

真空管は抜きました。誤って割ってしまうのを避けるためです。
この時点でこのラジオのメーカが判明しました。選局のための円盤にNANAOLAと表示されています。ナナオラです。これは略語で,語源は七欧ラジオです。ナナオウラジオをナナオラに縮め,さらにRAをLAに変えてNANAOLAとしたのでしょう。このメーカはその後東芝に編入されたそうです。
背面から見ると下のとおりです。

真空管のソケットに型名が記入されています。認められますか?
整流管=12B(12F),低周波(電力)増幅管=47B(3YP1),検波管=24B(24B),高周波増幅管=?(UZ57)です。括弧内は実際に装着されていた真空管です。どうもこのラジオは修理の過程で真空管が取り換えられているようです。しかも,高周波増幅管は足の数が合わないのでソケットも取り換えられ,このため型名が記されていません。多分,24Bだったのでしょう。結局最初から変わっていないのは検波管の24Bだけということになります。
では,シャシ内部を見てみましょう。下の写真をご覧ください。

雑然とした感じがしますが,まあ,昔のラジオはこんなものでした。一つ斜めに取り付けられている円筒形のモノが高一ラジオの特徴です。高周波増幅と検波との間に置かれる同調コイルです。
しかし,もう一度3番目の写真をご覧ください。中央付近に穴が開いています。このコイルは元来ここにあったものと思われます。修理の過程で(?)発振が止まらずシャシ内部に移したのでしょう。
ところで,気になる電源トランス。どうも断線しているようです。
このラジオの真空管のヒータ電圧は2.5Vです。真空管ラジオ用のトランスはいくつか持っているのですが,皆6.3V球用です。ヒータ電源がなければどうにもなりません。さっそく1個注文しました。

それにしても,今でも2.5Vのトランスが販売されているのに驚きました。オーディオファンが今でも2A3などの真空管アンプにこだわっているためでしょう。
ところが,詳しく調べなおすとトランスは健全なようなのです。慌てて手配したトランスは無駄になってしまいました。まさに「慌てる乞食は貰いが少ない」のたとえどおりです。■
まず,背面の蓋を外して内部を見てみましょう。

以前の記事ではこのラジオを「高一(1)」と書きました。上の画像を見て高1だとわかる人はすでに還暦を迎えたか人か,そうでなければマニアに違いありません。
もう一度写真をご覧ください。真空管(ST管)が4本ささっています。そのうちの2本にはシールドケース(と言っただろうか?)がかぶせられています。また,バリコンは2連です。IFT(中間周波トランス)は見当たりません。この時点で高一(高周波一段ストレート受信機)だと想像がつくのです。
もう少し見てみましょう。左側に見える銀色の塊は電源トランスです。FUSEという文字も見えます。その右の真空管には3YP1と表示されているのですが,認められますか?6ZP1は知っていますが,3YP1は初めてのような気がします。しかし,良く似た型名なので同種の球でしょう。また,マツダとありますが,これは後に東芝になった電器メーカです。電源トランスの奥に見える国連本部のような物はブロックコンデンサだと思われます。ケミコンとも呼んでいました。電解コンデンサです。
さて,内部を引き出して見ましょう。下の写真です。

真空管は抜きました。誤って割ってしまうのを避けるためです。
この時点でこのラジオのメーカが判明しました。選局のための円盤にNANAOLAと表示されています。ナナオラです。これは略語で,語源は七欧ラジオです。ナナオウラジオをナナオラに縮め,さらにRAをLAに変えてNANAOLAとしたのでしょう。このメーカはその後東芝に編入されたそうです。
背面から見ると下のとおりです。

真空管のソケットに型名が記入されています。認められますか?
整流管=12B(12F),低周波(電力)増幅管=47B(3YP1),検波管=24B(24B),高周波増幅管=?(UZ57)です。括弧内は実際に装着されていた真空管です。どうもこのラジオは修理の過程で真空管が取り換えられているようです。しかも,高周波増幅管は足の数が合わないのでソケットも取り換えられ,このため型名が記されていません。多分,24Bだったのでしょう。結局最初から変わっていないのは検波管の24Bだけということになります。
では,シャシ内部を見てみましょう。下の写真をご覧ください。

雑然とした感じがしますが,まあ,昔のラジオはこんなものでした。一つ斜めに取り付けられている円筒形のモノが高一ラジオの特徴です。高周波増幅と検波との間に置かれる同調コイルです。
しかし,もう一度3番目の写真をご覧ください。中央付近に穴が開いています。このコイルは元来ここにあったものと思われます。修理の過程で(?)発振が止まらずシャシ内部に移したのでしょう。
ところで,気になる電源トランス。どうも断線しているようです。
このラジオの真空管のヒータ電圧は2.5Vです。真空管ラジオ用のトランスはいくつか持っているのですが,皆6.3V球用です。ヒータ電源がなければどうにもなりません。さっそく1個注文しました。

それにしても,今でも2.5Vのトランスが販売されているのに驚きました。オーディオファンが今でも2A3などの真空管アンプにこだわっているためでしょう。
ところが,詳しく調べなおすとトランスは健全なようなのです。慌てて手配したトランスは無駄になってしまいました。まさに「慌てる乞食は貰いが少ない」のたとえどおりです。■
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