グルメッチー☆TAKENAKA MUSIC PLANNING

☆アコースティックギターを愛し、Paul Simon、吉田拓郎などのカバー演奏を中心にライブ活動を継続中☆

東海道新幹線車内殴打事件簿 17

2006年03月18日 | 東海道新幹線車内殴打事件簿

『先生、詳しく聞かせてください』

知人の弁護士は、ゆっくりと話を始めました★

『最初の示談金は5万円の提示でしたよね』

『はい』

『すると弁護士報酬は半分の5万円だと思いますね、本来なら2割程度なんですが、多めに取ったのでしょう』

『はあ、、、』

『そして、今回の20万円提示で、いかにも誠意を持った対応と思われますが、弁護士報酬も倍になってると思いますよ』

『えっ、どういう事ですか』

『つまり、先方の弁護士はグルメッチーさんに対する依頼者の失態をついて30万円提示し、そこから報酬料10万円差し引いて、グルメッチーさんに20万円渡すという事です』

『へええ~、商売上手いですね~』

『グルメッチーさんが最初の提示通りに話を進めたら、報酬は5万円のままだから、先方の弁護士はグルメッチーさんに感謝してるかも知れませんよ(笑)』

『ありゃりゃ~、感謝されてますか~、、、それにしても、そんな商売ありなんですかね』

『弁護士にも色々な人がいますからね、私はそんな法外な事はしませんけどね』

『では、私からの報酬料は甘い物でいいですか(笑)、先生はカステラがお好きでしたから、文明堂のハニーカステラを持って行きますね(大笑)』

『では、特上のやつでお願いしますよ(大笑)』

『それにしても、弁護士の世界は分からないことばかりなので、よく調べないといけませんね、私は先生と知り合いになれてラッキーなんですね、本当に色々ありがとうございました』

『いえいえ、また連絡して下さい』


後日、静岡の弁護士から示談書が送られてきました★双方と弁護士用を併せて3通です★
内容はこちらが受け取る示談金20万円とこの事件に関する事は、今後一切の裁判は行わないとの確認です★
私は署名捺印して、同封されていた返信封筒に入れ、郵便局経由で差し出しました★
《これでやっと終わった、、、やれやれ、、、》


その後、双方の署名捺印された、私の保管用の示談書が届いたのですが、その中に一通の手紙が同封されてました★中を開けると、加害者の奥さんからでした★

《拝啓、グルメッチー様、今回はお蔭さまで、主人も現職のまま済むことになりました、ありがとうございました、、、(中略)、、、最後に、お体を大切にお過し下さい 敬具》

ここの奥さんは、本当にノーテンキな人だ! 最後の最後まで自分の方から謝ることが出来ず、揚句には【お体を大切に】だと! お体を不健康にさせたのはあんたの旦那なんだ!★

この手紙を読んで、ホトホト呆れました★
しかし、今後は関わりが無くなるんだと、自分に言い聞かせ、我慢することにしました★

二度とこういう事には巻き込まれたくないですね、、、★


以上で東海道新幹線車内殴打事件簿は終わりです、読みにくい文章にお付き合いを頂きましてありがとうございました★

東海道新幹線車内殴打事件簿 16

2006年03月17日 | 東海道新幹線車内殴打事件簿

さて、話を戻します★

静岡に戻った加害者は、すぐに弁護士事務所へ駆け付けたようで、翌々日には私の元へ、先方の弁護士から連絡がありました★

『静岡県〇〇法律事務所、〇〇さん代理人の弁護士〇〇です、グルメッチーさんですか』

『はい、私がグルメッチーですが』

『この度は色々とご迷惑をお掛け致しましてすみませんでした、昨日、依頼者からグルメッチーさんとのやり取りの内容を伺いました』

『はい』

『私の方からの申し渡しが上手く伝わってなかったようで、グルメッチーさんもかなりお怒りになられたと思います、申し訳ございません』

『やはり、そうでしたか』

『今回、〇〇さんに示談書及び示談金を持って行くように指示致しましたが、謝罪をしっかりした上で示談書を提示するようにと言っていたにも関わらず、いきなり提示してしまったようで、グルメッチーさんには大変申し訳ない事を致しました』

『はい』

『つきましては、今後は私の方で、対応させて頂きますので宜しくお願い致します』

『はい』

『差し当たって、グルメッチーさんの要求されている万が一の為の事などを考えまして、示談金は20万円を提示させていただきますが、いかがでしょうか』

『私は額のこだわりはありません』
《一気に4倍の増額です、何かありそうだな・・・》

『ありがとうございます、それでは、改めて書類を作成し、手配をさせていただきます、後日ご連絡差し上げますので宜しくお願い致します』

『分かりました』

電話を切りました★

流石に弁護士だけあって、用件をすらすらと述べられたので、こちらは返事をする呼吸が合わず仕舞いでした★
《ニューヨークなら100万円を請求できたけど(苦笑)、区切りがつくのならこれでいいか・・・》

私は、煩わしさからくる疲れもあったので、条件をのむことにしました★

しかし、その後、私の知人の弁護士に顛末を話したのですが、示談のからくりを聞いてびっくりしました★


続く

東海道新幹線車内殴打事件簿 15

2006年03月16日 | 東海道新幹線車内殴打事件簿

会社に戻ると、机の上には外線電話の取り次ぎのメモがあり、電話を下さいと書いてあります★
《少し時間を取り過ぎたな・・・》
すぐに相手先に電話を掛けて、不在をお詫びして用件を片付けました★

しばらくすると、
『よー、グルメッチー!さっき喫茶店でお客さんを泣かしてたな!』
と、声が掛かりました★
振り返ると、三つ年上の男性社員です★
《うっ!まずい!見られたか! よりによってコイツとは!》

この男は所謂(いわゆる)放送局、おしゃべり男なんです★この男には昔から悩まされています★黙っていれば何事もなく済むものを、いちいち廻りに聞こえるように、それも脚色して声を掛けるものですから、何も知らない人が聞いたら誤解してしまいます★何でもない小さい事を大袈裟に言う男なので、私はアンプと呼んでいましたが・・・★
『あー、先輩、喫茶店に居たんですか』

『そうだよ、俺が入ったらお前が見えたんだよ、お客さんと一緒だったから、声を掛けようと思ったけど、なんか、深刻そうに話してたからさ-、やめたよ~、ははは~』
《相変わらず、何という非常識な奴だ、深刻そうにしてなければ間違いなくこちらへ来たな》

『そうですか』
私は気の無い返事をします★

『深刻な話は何だったんだ?金でも返せってか!あははは-』

廻りの人間は仕事をしている振りをしていますが、明らかに聞き耳を立てています★

『お客さんの事は何も言えませんので!』
変に言い訳がましい事を言うと、余計に厄介になるので、相手のプライベートの事だと言ってその場から逃げました★
《まったく、五月蝿(うるさ)い奴だ》
この男は以前、私の家に夜中の1時頃にいきなり来て、酒臭い息を吐きながら、『一晩泊めろ!』ときかなかったんです★私は嫌でしたが、仕方なく泊めたんです★ところが、翌日、私の家が狭いだの、散らかっていたなどと、社内中に吹聴して廻ったんです★

ここにも横暴野郎がいるのです★
《まったくもう!》


続く

東海道新幹線車内殴打事件簿 14

2006年03月15日 | 東海道新幹線車内殴打事件簿

私が今までの登場人物をメモに書き出すと、相手の夫婦は食い入るように、私のペン先を見つめています★

『これが私、これがあなたです、そして同僚の方、車掌、乗客、弁護士、組合の課長、職員、、、、ここまでは分かりますか』

『あ、はい、分かります!』

『それぞれの人が言った事を書き足します』

『はい!』

『最初にあなたは私に謝罪する前に、ここに書いてある弁護士に電話した、、、そうですね』

『はい、そうです』

『その時点で警察の取り調べがあったにも関わらず、組合には未報告だった、、、どうですか』

『はい、報告してません』

『弁護士には、私にも悪い事があったと報告している、、、ですよね』

『は、はい、、、すみません』

『そこで弁護士は示談金として5万円を提示、、、あなたは承諾した』

『そ、そうです』

『そして書類の作成を依頼、あなたは、これで解決できると確信した、、、』

『はい!その通りです!』

『何か気付きませんか』

『あっ、私は謝ってない・・・』

『そうですよ、この図を見ると、あなたは自分の事だけで動いてたのが分かるでしょう』

『はい、分かります』

『では、どうしなければなりませんか』

『はい、誠意を持って謝らなければなりません』

『そうですよね、普通の人なら分かりますよね』

『申し訳ありません!』
ようやく顔を上げて私と目が合いました★

『・・・・・やっと誠意のこもった謝罪になりましたね』

『すみませんでした!』
横を見ると、奥さんも目に涙を浮かべて頭を下げています★

『奥さんは泣かないで下さい、女性の涙は苦手なので』

『本当にすみませんでした』
深く頭を下げていたのですが、この言葉でより一層深く下げてしましました★



その後、事の流れを把握できて、夫婦は気持ちの張りが取れたのか、少し穏やかな顔になっています★

私は二人が落ち着いたところで、こう言いました★

『取りあえず、今日のところはこれで終わりにしましょう、お二人は、そちらの弁護士に今日までの経過を伝えて下さい、私は示談書と示談金には応じますが、万が一後遺症の通院となるかもしれないので、そのあたりはご考慮下さい、あっ、安心して下さい、法外な要求はしませんし、後から首が痛いだの腰が痛いだの言って追加の慰謝料を取ろうなんて事もしません、示談書に明記しても結構です、私は今回の事で、あなたを許した訳ではありませんが、弁護士を通して手続きをしっかり取っていただけるのであれば、それ以上の要求はしないつもりです、ですので、再度弁護士と相談してから私に連絡して下さい』

『はい、分かりました』

『では、失礼します』

私は喫茶店を後にしました★


続く

東海道新幹線車内殴打事件簿 13

2006年03月14日 | 東海道新幹線車内殴打事件簿

確認すると、1万円札が5枚入ってます★

『何なんですか、これは』
『はい、示談金として、収めて下さい』

『はあ~?』

《その時、ふと横を見るとB4程の紙が二つ折りになっているのが見えました》
『その書類は何ですか』

『あ、え~と、、、示談書です』

書類を入れていた茶封筒には〇〇法律事務所と書かれています★
《なるほど、この男は最初強気に出ていたのは、弁護士に相談していたんだな》
『弁護士にこうしろと指示されましたね』

『・・・はい、、、』

『そしてお金と示談書を持っていって、私の署名と捺印を取れば、一切の義務を果たしたことになると言われたんですね』

『・・・は、い、、、』

『分かりました、そういうことなら話は変わってきます、示談書を見せていただけますか』

『あ、はい、どうぞ、、、』

『何々、、甲は乙に対して、、示談金5万円で、、、締結後は、、、一切、、、申し立てをしないものとする、、、』

《やはり思った通りの内容でした》

『〇〇さん、これおかしくないですか?』

『と、言いますと、、』

『私は示談の事で具体的に何も示したことは無いですよね、そして、用意周到な書類と現金ですよね、これは明らかに私に対して条件を飲めと言ってるようなものですよ、、、こんな失礼な事がありますか!』

『で、でも、弁護士がこうしろと言ったので、、、』
『弁護士はあなたの代理人で、あなたからお金を貰っている以上、あなたが有利になるように動きますよ、そんなの当たり前です』

『・・・はい、、、』

『ということは、この示談書を、私が受け付けない事はないと踏んでの事ですね』

『・・・は、はい、、、』
『〇〇さん、そちらの弁護士に今回の事件をどういう風に説明したか分かりませんが、これだと私への謝罪がまったくないですね、先程の涙で、一度は私の気は収まりましたが、書類を一方的に押し付けるやり方は納得がいきません、話はご破算です』

『えっ、、それでは困ります』

『何が困るんですか、言ってみて下さい! 本当にあなたは恐ろしい人だ! 危うくあの涙に騙されるところだったよ』

『涙は本当です!本当なんです!信じて下さい!』

『〇〇さん、どうやって信じろと言うんですか、言葉の裏腹で私に対決してるんですよ、分かりませんか?』

『対決なんて滅相もない!信じて下さい!』

《この男は事の流れが何も分からないおバカなんだな》

これ以上何を言っても仕方がないので、私はペンとメモを用意して、この世間知らずの男にスキーム図を書く事を思い付きました★
《何でここまでしてやらなくちゃなんないんだ・・・》
私は結構お人よしなのか(苦笑)★