曠野すぐりBLOG 「小説旅日記」

「途中から読んでも内容の分かる連載小説」をいくつか、あと日記を、のんびりと載せていきます。
 

社団戦初日

2014年07月13日 | 将棋ペンクラブの日々
 
7月6日は社団戦の初日。
 
ペンクラブチームは販売ブースを使わせていただいているので、チーム幹事の私は早く着いて設営を手伝うことにしている。ちょうどオランダ―コスタリカ戦が延長に入って、観ていきたかったが、設営に間に合わないので家を出ることにした。
 
いつも到着は朝9時前後。立ち食いそば屋に寄るときは9時をすぎ、寄らないと9時前に着く。この日は少し熱っぽく喉が痛かったので朝の一杯は控えた。体調がよくないときはなんとなく立ち食いそばを避けたくなるものだ。
 
会場には机7つでブースができていて、どうも違和感を持ち、もう一つ足して8つにした。この方がいつものカタチのような気がして、次回忘れないように一枚撮った。
LPSAチームのFujさんが来たので、W杯の結果を尋ねる。「言っちゃってもいいんですか?」とまず確認するFujさん。競馬ファンは配慮がすばらしいというものだ。
何事にも精通しているFujさんの、適切な解説付きで結果を聞く。リアルタイムで観たかったものだ。
 
次第にメンバーが集まり、販売物の搬入も始まり、活気付いていく。そしてゼッケンと対戦表を取りに行って、準備完了。試合場所に着席して、開会式が始まった。
開会のあいさつは所司七段で、お忙しくてたいへんだと思いながら拝聴する。この2週間後、19日の土曜には将棋ペンクラブ大賞の最終選考会があるのだ。
 
そして試合開始……。
 
本年から新たに最下部の6部ができて、多少は楽な戦いになると思ったのだがこれが大間違い。将棋ペンクラブチームは一人欠けて6人だったとはいえ、全敗。6部でも皆さん強い。往年のテレビ番組、クイズダービーの1枠ではないが、とても上品な成績となった。
もっとも我々のチームは打ち上げの方が本番、というチームなので、その後の酒の場が楽しかったのでいい一日となった。
 
本年から出場していただくことになったペンクラブ会員の渡辺さんは、中国の文化に精通されていて、シルクロードや中国奥地が好きな私は、これはチャンスとばかりに本や資料を用意していった。社団戦というのに棋書を一冊も持たずに呑み会用の本をどっさり、というのはちょっと問題と思うが、しかし懸命に勉強して、万が一勝ちが続いてしまって5部にでも上がったらたいへんなので、これくらいの方がいいとも思う。
ともあれ私は渡辺さんからたっぷり話をうかがうことができて、将棋は個人的にも4戦全敗だったけどとても充実した一日となった。

帰り道、K江さんと「月に吠える」で軽く一杯もいいかと思ったが、日曜は休日になったようなのでそのまま新宿で別れた。帰ってから、その日は臨時でお店をやっていたと知った。酒飲みは臨時営業というものに魅力を感じるのだが、それを逃してしまって残念だった。
 
 

第26回将棋ペンクラブ大賞 二次選考終了

2014年06月29日 | 将棋ペンクラブの日々
先週土曜日は船堀にて「将棋ペンクラブ大賞」の二次選考会とペン倶楽部通信の発送作業。
普段は発送作業の後に選考会なのだが、今回はペンクラブ大賞を仕切る三上幹事が所用で早退ということで、逆の手順となった。
一次選考を通過した作品から、文芸部門10名、技術部門4名の二次選考委員が付けた「優」、「良」、「可」をそれぞれ3点、2点、1点とし、総合点を出す。我々幹事は加点、減点などおこなわず、どの得点で線引きをするかということを議論しあう。
それで決まったのが、以下のとおり。
 
 
第26回将棋ペンクラブ大賞 最終候補作品
 
 
『観戦記部門』
 
・諏訪景子  名人戦 第72期順位戦A級(朝日新聞)
       深浦康市 ― 久保利明
・藤田麻衣子 棋聖戦 第85期1次予選 特選局(産経新聞)
       上村亘 ― 永瀬拓矢
・北野新太  NHK杯将棋トーナメント 第63回3回戦 第8局(NHK将棋講座)
       丸山忠久 ― 三浦弘行
・渡辺弥生  新人王戦 第44期決勝三番勝負 第3局(しんぶん赤旗)
       藤森哲也 ― 都成竜馬
・湯川恵子  ユニバーサル杯女流名人位戦 第40期五番勝負 第2局(スポーツ報知)
       里見香奈 ― 中村真梨花
 
 
『文芸部門』
 
・将棋エッセイコレクション  後藤元気 編(筑摩書房)
・覆す力  森内俊之(小学館)
・オール・イン 実録・奨励会三段リーグ  天野貴元(宝島社)
 
 
『技術部門』
 
・凌ぎの手筋200  金子タカシ(浅川書房)
・杉本流相振りのセンス  杉本昌隆(発行・日本将棋連盟 発売・マイナビ)
・逃れ将棋  森信雄(実業之日本社)
・全戦型対応 穴熊の戦い方  佐藤和俊(マイナビ)
 
 
 
この作品を最終選考委員3名に送り、7月19日(土)の最終選考会で大賞が決定する流れとなる。
私自身が推している作品はあるものの、最終選考会では録音、テープ起し担当なので、何も言わずにじっとしているという、楽しみだけどちょっとつらい時間でもあるのです。
 
 


NAWOさんの個展 その3

2014年03月10日 | 彷徨う
NAWOさんの個展 その3
 
温かくて美味しいコーヒーを飲みながら、絵に囲まれてのお話は心落ち着くひと時だ。
お店の方も加わっていただいての会話だったので、閉店時間が迫っているのにゆったりと寛げてしまった。
お店の方々もアーティストで、なるほど、どうりでお店の内装がしゃれているわけだと納得がいった。お客さんもまた、とてもそうは見えないようなアクティブな校長先生が来ていたりと、この周辺の文化の中心になっているようなお店だった。
入口に飾られている観葉植物が印象的で、聞くと「コケ玉」だという。苔が玉状に丸くなっているのだ。
 
NAWOさんの個展は当初3月8日までだったのが、好評で29日まで延長されるとのこと。詳細は以下のとおり。
 
日時 2月12日~3月29日 11時~18時(最終日17時・日曜祭日 休)
場所 Bakery Café & あーとの国 art+プラス(埼玉県東松山市和泉町3-15)
 
お見送りを受けながら、NAWOさんとお店をあとにした。
ヤキュウ神社の前までお話しながら歩き、そこで別れ、まつやま書房さんへと向かう。
コンビニでいつものように差し入れのビールを買い、暗い住宅地を進む。やはり想像していたよりも雪が少ない。
 
まつやま書房さんへの訪問は、この年初めて。あいさつをし、カンパイする。
東松山、雪はたいしたことないですねぇと言うと、社長は笑うがトモさんは顔をしかめる。なんでも雪かきに追われてすっかり体調を崩してしまったということだ。八王子の降りが異常だっただけで、ここはここでたいへんだったのだろう。
深々と冷えるので、ビールからお湯割りに切り替える。おでんの温かさが身体に伝わるので箸が止まらない。
ある程度の時間になると、いつもはトモさんと2人で外飲みと相成るのだが、この日は体調が快復していないということでわりと早めに切り上げた。
 
客がいなくてピーンと張り詰めたような東上線の車内。川越まで揺られ、ブック・ファーストに寄ってから西武線に乗り換える。せっかく時間が早いからもう一軒行くかと、新所沢で降りて「喜ごころ」へ。こういったバーにはまだ早い時間だったので、客は私ひとり。ハジメちゃんとあれやこれやと話し込んでしまって、1杯のつもりが5杯となり、終電で帰宅となったのだった。
 
(おわり)
 


NAWOさんの個展 その2

2014年03月09日 | 彷徨う
NAWOさんの個展 その2
 
駅の階段を降りて急ぎ足で向かう。雪で歩きにくいだろうなぁと思っていたが、意外にも八王子と比べてほとんど雪がないと言っていい状態。今年最初の雪では、降った翌日に地元の呑み仲間、佐々野慈音氏の針穴写真の個展で狭山市に行き、たいへんな目にあっていた。そのことがあったので、てっきり埼玉は雪で埋もれていると思っていたのだ。
 
10分ほどで、会場の『Bakery Café & あーとの国 art+プラス』さんに着く。通りに面していたのですぐに分かったが、おしゃれな雰囲気で躊躇してしまう。しかし中からNAWOさんが手招きしてくれたので、安心して入っていった。
 
あらためて、NAWOさんとお店の方にあいさつ。その後NAWOさんに解説していただきながら、展示されている絵を見ていった。
NAWOさんの絵は色彩が華やかで、暖かみがある。神楽坂の小道や日野の菜園、吉見の自宅風パン屋さんなど、実際の景色を見ればなんということのない場所なのだろう。しかし繊細なスケッチと淡く明るめの色付けが、まるで観光地かのように感じさせてしまう。
スケッチをしたときの状況や、その絵への思いなど、贅沢な解説付きで鑑賞させてもらった。
 
そして美味しいコーヒーを飲み、閉店ぎりぎりまでお話させていただいた。
 
(つづく)
 

NAWOさんの個展 その1

2014年03月03日 | 彷徨う
NAWOさんの個展 その1
 
 
少し時間が経ってしまったが、2月21日金曜日は埼玉県の東松山に。
 
『東上線各駅短編集』の表紙と裏表紙を書いていただいたNAWOさんから、個展を開くという連絡をいただいた。これはぜひとも行きたい。NAWOさんの個展は昨年の初夏、とても暑い日に伺わせていただいたのだが、明るい色使いの、青空にぴったりの絵が並んでとても印象に残るものだった。寒い日が続く中ではどう見えるのだろうかと興味があった。
 
予定していた21日は運悪く、八王子で用事が入ってしまった。しかし距離こそ遠いものの、東松山までは川越で一回乗り換えるだけと行程は単純なもの。私は早めに用事を終えると八高線で北上していった。
八高線からの車窓は一言で言うととにかく平坦。街並みや住宅の少ない首都圏のローカル地帯を走るが、しかし山は迫っていない。邪魔となるものがないので、左右どちらの車窓にもだだっ広い眺めとなっている。
横田基地に茶畑。雪が残っていて白一色。車内はすいていて、金子をすぎた辺りで私はうつらうつらしてきた。以前はすきま風だらけで寒かった八高線も、電化された部分に関しては乗り心地がよくなった。
電車に揺られての居眠りは気持ちのいいものだが、しかし的場駅付近で架線のトラブルということで眠りから覚まされる。NAWOさんの個展は会場が喫茶店で、閉店時間が18時。間に合うかどうか心配で、眠気が吹き飛んでしまった。
それでもなんとか電車が動いてくれ、川越に到着。そこで急いで東武東上線に乗り換えた。
今度東上線では席が埋まっていて立っていたが、こちらも平坦な眺めだ。しかしこれは下りに乗っているからで、都心まで通じている重要な通勤電車のこと、和光から池袋までは建物が迫って見渡すような眺めとなっていない。
 
17時ちょっと前、東松山に到着。改札を出てヤキュウ神社側に早足で向かう。しかしそこで雪の重みでひしゃげてしまった自転車置き場の屋根を見つけ、急いてはいたけど私は立ち止まった。
屋根は思わず見事と言ってしまいたくなるくらい、きれいにV字にへこんでいる。あれ、だいぶ長いものだが、しかし撤去するしかないだろう。たいへんな作業になるに違いない。
私は一枚写すと、また早足で歩き出した。
 
(つづく)