古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十九章 山火事に付き願口上控 その五十四

2013年11月30日 07時30分24秒 | 古文書の初歩

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十八頁、上の九~十一行目

解読 成儀ニ付当村より火をかけ候との義慥成証拠無之而ハ浅々敷無差

  与難題ケ間敷可被申越道 理も御座有間敷様ニ奉存候。

読み 成る儀に付き、当村より火をかけ候との義慥かなる証拠これ無くては

  浅々しき差無しと難題がましく申し越されるべき道理も御座有る間じき

    様に存じ奉り候。

解説 「(一等大切)なる儀に付き」・・・一番大切な事なので。 次は右横に添え書きしていて、このままでは読めませんが、現物のしわを伸ばして見ると何とか分かります。「当村より火をかけ候との義」はまあまあ分かりますが、次のシワの部分は「慥か成る証拠これ無くては」と書いています。 「浅々敷」・・・浅はかな。軽々しい。 「無差与」・・・差無しと。「与」はヒラカナの「と」です。「浅々しい差が無い」とはどういう意味かよく分かりませんが、「はっきりとした違いが無いと。」と解釈して置きます。 「難題」はまあまあ読めます。 次は「ケ間敷」・・・難題がましく。 「可被申越」・・・下から返って「申し越されるべき」。 次の字は「道」の崩しです。「道理」・・・すじみち。わけ。 「御座有間敷様ニ」・・・御座有るまじく様に。有ってはならない様に。 最後は「奉存候」・・・存じ奉り候。思います。

    


第十九章 山火事に付き願口上控 その五十三

2013年11月29日 07時18分49秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十八頁、上の五~八行目。字が薄く小さく見にくいですが、ご辛抱下さい。

 

解読 申遣し候事に御座候。 当村へ者ケ様之難題を申懸ケ置

    今日迄否之返答 も無之右者一等大切

 

読み 申し遣わし候事に御座候。当村へは斯様の難題を申し掛け置き

    今日迄否の返答もこれ無く、右は一等大切

 

解説 今日は変則ですが、五行目から八行目まで四行分になります。 「遣し候事ニ」・・・「申し遣わし」の「し」が長く伸びて下の縦棒が候です。 最後は読めませんが「御座候」。 六行目も小さい字で、「当村へ者」・・・「へ」の次の「丁」の様な字が「者」の崩しになります。「当村へは」。 「ケ様之」・・・「ケ様」は「斯様」『かよう』と読みます。「この様な」。 「難題を申し懸け置」・・・難しい話しを申し懸けて置いて。 「今日迄」・・・「日」と「迄」が難解。「迄」は異体字で、「占」にシンニョウです。下部の「横棒」がシンニョウです。 「否之返答」・・・「否」は縦長で、「返答」も読みにくい。 「右者」・・・ここの「右」はまともな字ですが、「者」は先ほどのと同じく、きつい崩しです。 「一等大切」・・・右に書いた事は、一番大切な。

     


第十九章 山火事に付き願口上控 その五十二

2013年11月28日 07時50分00秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十八頁、上の二~四行目

 

解読 十三日使幸次郎江手紙 相添右火付之罪人

    早々吟味行届キ呉候様

 

読み 十三日使い、幸次郎へ手紙相添え、右火付けの罪人

    早々吟味行き届き呉れ候様

 

解説 「十三」の次の点は「日」です。 続いて「使」・・・使者。 「幸次郎」・・・人名で、「次郎」が読みにくい。「次」も「郎」も何度も出ています。 次は、「江」。 三行目最初は「相添」・・・相添え。「添」が少し疑問ですが、外に考えつかないので、町史の通りとしました。 次は何度も出る「右」です。右に書いたこと。 「火付」・・・火をつける。放火。「火」は「史」にも見えます。 「吟味行届キ呉候様」・・・取調がついて呉れる様。「行届く」・・・『ゆきとどく』・・・至り着く。


第十九章 山火事に付き願口上控 その五十一

2013年11月27日 05時23分22秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控、第十七頁、上の七~九行目

 

解読 無之右者永々之照續キ 此上之用心も悪敷等閑ニ

    差置かたく義ニ付又々

 

読み (返事も)これ無く、右は永々の照り続き この上の用心も悪しく等閑に

    差し置き難く義に付き、又又

 

解説 「無之」・・・下から返って「これ無く」。 「右者」・・・右は。「右」は難しいですが、出る回数も多いので、慣れましょう。 「永々の照り続き」・・・永い日照り続き。「續」は「続」の旧字体。 「此上之用心」・・・「此」と「用」が難解です。 「悪敷」・・・『あしく』、難儀である。 「ホ閑ニ」・・・等閑に。『とうかんに』おろそかにする。なおざりにする。「ホ」の様な字は「等」。 「差置かたく」・・・『さしおきがたく』これも難しい。 「義ニ付」。なおざりにもして置けないので。


第十九章 山火事に付き願口上控 その五十

2013年11月26日 05時39分13秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十七頁、上の四~六行目

 

解読 庄屋元江合い寄有田 上村より之返答相待居

    候へ共尓今否之返事も

 

読み 庄屋元へ相寄り、有田上村よりの返答相待ち居り

    候えども、爾今否の返事も

 

解説 「庄屋元江相寄」・・・庄屋の家へ寄り合って。「庄屋元」もたいへん難しい。 「返答」・・・「答」という字は縦長になります。 「相待居候へ共」・・・待っていたけれども。 「尓今」・・・「尓」は「爾」の省略形で、この場合は「爾今」・・・『じこん』、その後。 「否の返事も」・・・駄目だとの返事も。断りの返事も。※今日は割と易しい。