乍恐奉願口上第十ページ、上の画像の一行目二行目
解読 申上候段御尋之趣奉畏候
右者去ル巳二月鶴七下も辺へ商内ニ罷越候而
読み 申し上げ候段、お尋ねの趣かしこみ奉り候。
右は去る巳二月、鶴七しもべへ商いに罷り越し候て
解説 「申上候段」・・・ここの「申」は「P」、次ぎも分かりにくいですが、「上」、その下の点は「候」で、「段」と続きます。「御願い申し上げました件」。 「御尋」は分かります。 次の縦棒は「之」。 そして崩しすぎですが、「趣」。お尋ねの趣旨。 「奉畏候」・・・下から返って「かしこみ奉り候」。 二行目「右者」・・・右は。右の件は。 「去る巳二月」・・・この場合去年(明治二年の二月)。 「鶴」と言う字は、本文では雨冠となっています。 「下毛辺へ」・・・「毛」は変体仮名で「も」。田辺から上み辺は和歌山・大阪方面で、下も辺は串本・新宮方面のこと。 「商内」・・・商い。次ぎに小さく「ニ」が有ります。 「罷越」・・・罷りは接頭語。丁寧な言い方です。 次ぎに「候而」・・・「候」は「レ」の様な形で、「而」は前ページの最後に出た形と同じです。