古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十九章 山火事に付き願口上控 その五十三

2013年11月29日 07時18分49秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十八頁、上の五~八行目。字が薄く小さく見にくいですが、ご辛抱下さい。

 

解読 申遣し候事に御座候。 当村へ者ケ様之難題を申懸ケ置

    今日迄否之返答 も無之右者一等大切

 

読み 申し遣わし候事に御座候。当村へは斯様の難題を申し掛け置き

    今日迄否の返答もこれ無く、右は一等大切

 

解説 今日は変則ですが、五行目から八行目まで四行分になります。 「遣し候事ニ」・・・「申し遣わし」の「し」が長く伸びて下の縦棒が候です。 最後は読めませんが「御座候」。 六行目も小さい字で、「当村へ者」・・・「へ」の次の「丁」の様な字が「者」の崩しになります。「当村へは」。 「ケ様之」・・・「ケ様」は「斯様」『かよう』と読みます。「この様な」。 「難題を申し懸け置」・・・難しい話しを申し懸けて置いて。 「今日迄」・・・「日」と「迄」が難解。「迄」は異体字で、「占」にシンニョウです。下部の「横棒」がシンニョウです。 「否之返答」・・・「否」は縦長で、「返答」も読みにくい。 「右者」・・・ここの「右」はまともな字ですが、「者」は先ほどのと同じく、きつい崩しです。 「一等大切」・・・右に書いた事は、一番大切な。