古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十九章 漂流外国物語 其の二百八十二

2017年02月28日 08時38分49秒 | 古文書の初歩

 


 


 

「漂流外国物語」第八十ページ、上の五~七行目

 

解読 阿蘭陀「イギリス「イスハニヤ「ロソン等之人ハアメリカと

    着附同様少々宛違ひ候処茂有之候へ共大概同様、

    一、外国之屋敷此處ニ多く有之候、

読み オランダ・イギリス・イスハニヤ・ロソン等の人はアメリカと

    着附け同様、少々づつ違い候処もこれ有りそうらえども、大概同様、

    一つ、外国の屋敷此の処に多くこれ有り候、

説明 「阿蘭陀」・・・オランダ国の漢字表記。 「イスハニヤ」・・・イスパニア。

これはスペイン国の事。 「ロソン」・・・「ルソン」、フィリピン国の事。正式には、首都

 

マニラがあるフィリピン諸島の最北の島の名称。 「ロソン」の次の字は「等」です。

 「着附」・・・服装の事。 「宛」・・・づつ。 「違ひ候処茂」・・・最後は消えていますが、

変体仮名の「茂」と推定します。 「大概同様」・・・これも読みにくい。 

「外国之屋敷」・・・「屋敷」も読みにくい。 「此處」・・・このところ。


第五十九章 漂流外国物語 其の二百八十一

2017年02月27日 08時31分27秒 | 古文書の初歩

 


 


 


「漂流外国物語」第八十一ページ、上の三~四行目

解読 食事之節ハ縁臺へ並べ置、廻りへ曲録を居へ

    箸ニ而喰ふ大躰日本同様、

読み 食事の節は、縁臺へ並べ置き、廻りへ曲録を据え

    箸にて喰う、大体日本同様、

説明 「節」・・・解りにくいです。よく見れば「節」に見えて来ます。  

 「縁臺」・・・食卓の様なもの。「臺」は「台」の旧字体。 「並遍置」

・・・「遍」は変体仮名の「へ」。・・・並べ置き。食べ物を並べて置き。 

「廻りへ」・・・台の廻りへ。 「曲録」・・・イスの事。正式には、法事の時に、

禅僧が腰掛ける豪華な椅子の事。この作者は、単に椅子の事を言っています。 

「居へ」・・・「据える」のつもりで書いています。 「箸にて喰ふ」・・・何とか解ります。 

「日本同様」・・・これも解りにくいが、何とか読めます。


第五十九章 漂流外国物語 其の二百八十

2017年02月26日 08時41分52秒 | 古文書の初歩

 


 


「漂流外国物語」第八十頁、上の一~二行目

解読 止メル、足ニハ沓をはき候、

    食物ハ米之飯、魚青物獣之肉ハ餘リ喰ひ不申候、

読み (にて)止める。足には沓をはき候。

    食物は米の飯、魚・青物・獣の肉は余り喰い申さず候。

説明 (ボタンにて)止める。 「沓」・・・「靴」。 「はき」・・・者き。「者」は変体仮名の「は」。 最後は「候」。 「魚・青物・獣」・・・読むのは難しい。 「餘り」・・・あまり。それほど。(宛て字です。) 最後は「不申候」・・・申さず候。


第五十九章 漂流外国物語 其の二百七十九

2017年02月25日 08時04分59秒 | 古文書の初歩

 


 


「漂流外国物語」第七十九ページ、上の五~六行目

解読 如此之物、其人之位ニ應し冠るなり、猿襦袢之長き

    様之鉄砲袖ニ而手先より壱尺計り長ク牡丹ニ而

読み 此の如きの物、其の人の位に応じ冠るなり、猿襦袢の長き

    様の鉄砲袖にて、手先より一尺ばかり長く、牡丹にて

説明 「如此之物」・・・『このごときのもの』、此の様なもの。右の図の様な帽子のこと。 「猿襦袢」・・・これは我が家の辞書には載っていません。「猿」の読みが間違っているかも知れません。 「鉄砲袖」・・・袖口の狭い筒袖。 「手先」・・・「手」の崩しは形で覚える。


第五十九章 漂流外国物語 其の二百七十八

2017年02月24日 08時28分00秒 | 古文書の初歩

 


 

「漂流外国物語」第七十九ページ、上の三~四行目

解読 下げ、□絹糸ニ而房を付、大躰ハ冠り者無之他

    行之節ハ

読み (後へ)下げ、□絹糸にて房を付け、大体は冠りものこれ無く、他

    行の節は、

説明 「下げ」の次の字が解りません。□にしておきます。 次は「絹糸」です。 「大躰」・・・大体、 「冠り者無之」・・・帽子はかぶらないで。 「他行之節ハ」・・・外出の時は。(図の様な帽子を被ると言うこと。)