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古文書の初歩の学習

第十九章 山火事に付き願口上控 その四十六

2013年11月22日 08時42分04秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十六頁、上の一~三行目

 

解読 ケ間敷キ付届ケ可被致道理 も無之義と奉存右之通毎々火を

    阿まし候大悪人者何方(ニ而も)

 

読み がましき付け届け致されるべき道理もこれ無き義と存じ奉り、

    右の通り毎々火を余し候大悪人は何方(にても)

 

解説 「(急度)ケ間敷き」・・・『きっとがましき』・・・厳し過ぎる様な感じの。 「付け届け」・・・訴え。陳情。 「可被致」・・・下から返って、「致されるべき」。 「道理」・・・『どうり』。筋道。筋の通った理屈。「道」の崩しは一番難しい。何度出てもなかなか読めません。 「無之」・・・これ無き。 右側に小さく挿入で、「義と奉存」・・・これ無き義と存じ奉り。筋の通った理由も無いと存じますので。 「右之通」・・・「右」も何度出ても難解。 「毎々」・・・毎度毎度。何時も。 「阿まし」・・・あまし。余し。「毎々火を余す」は、「何度も失火する」。 「阿まし」の次は「候」。 「大悪人」は何とか分かります。次は「者」・・・「は」。 「何方(にても)」・・・『いずかた(にても)』。どなたでも。