「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十六頁、上の四~六行目
解読 ニ而も其儘ニ難差置、且又 向後火之元用心も
無覚束御政道も難立
読み にても其の侭に差し置き難く、且つ又向後火の元用心も
覚束なく、御政道も立ち難き
解説 「難差置」・・・下から返って「差し置き難く」。そのままほっておけないで。 「且」が解りにくい。 「向後」・・・今後。『こうご』。『きょうご』とも言います。 六行目「無覚束」・・・覚束ない。『おぼつかない』。「束」が読みにくい。 「御政道」・・・政治の道。人民を治める方法。 「難立」・・・立ち難き。政治の道も立ちにくい。
十月十日付け、其の四の第一行目「有行」の意味不明と書きましたが、解りました。これは「歩キ」『あるき』という庄屋の下で働く、「走り使い」の仕事をする役の事だと言う事です。今なら役場の小使いさんです。私の推定は正しかったと言えます。「有行」は宛て字になります。読みは「あるき」