古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十九章 山火事に付き願口上控 その四十七

2013年11月23日 07時51分21秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十六頁、上の四~六行目

 

解読 ニ而も其儘ニ難差置、且又 向後火之元用心も

    無覚束御政道も難立

 

読み にても其の侭に差し置き難く、且つ又向後火の元用心も

    覚束なく、御政道も立ち難き

 

解説 「難差置」・・・下から返って「差し置き難く」。そのままほっておけないで。 「且」が解りにくい。 「向後」・・・今後。『こうご』。『きょうご』とも言います。 六行目「無覚束」・・・覚束ない。『おぼつかない』。「束」が読みにくい。 「御政道」・・・政治の道。人民を治める方法。 「難立」・・・立ち難き。政治の道も立ちにくい。

十月十日付け、其の四の第一行目「有行」の意味不明と書きましたが、解りました。これは「歩キ」『あるき』という庄屋の下で働く、「走り使い」の仕事をする役の事だと言う事です。今なら役場の小使いさんです。私の推定は正しかったと言えます。「有行」は宛て字になります。読みは「あるき」