「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十二頁、上の七~九行目
解読 候との噺ニ御座候。左候へ者 洩火ニ而ハ無之付火之
様ニ被存候と有田上村之
読み 候との話しに御座候。左候えば、洩れ火にてはこれ無く、付け火の
様に存じられ候と有田上村の
解説 「噺」・・・『はなし』。「話し」の古い字。国字と言われる文字です。 「御座候」・・・「御」と「候」が読みにくいですが、慣れで読みましょう。mに見えるのが「候」。 「左候へ者」・・・古文書によく出る慣用句です。『さそうらえば』と読みます。そうで有るなら。 「洩火」・・・『もれび』。失火の事。誤って火災となる。 「ニ而者無之」・・・にてはこれ無く。失火ではなく。 「付火」・・・『つけび』。放火すること。「付」の字は解りにくい。 「之様ニ」・・・放火の様に。 「被存候と」・・・存じられ候と。思われますと。「存」の右下に「候」が有ります。 「有田上村」・・・「有田」は何度出て来ても難しい。