「漂流外国物語」第三十頁、上の一~三行目まで
解読 砂糖茶ニ致し、匕を付右煎餅と壱所尓た遍させ
く連申候。
一、右者朝飯と相見へ彼煎餅越何かと不思議そふニ
読み 砂糖茶に致し、匕を付け右煎餅と一所に食べさせ
呉れ申し候。
一つ、右は朝飯と相見え、かの煎餅を何かと不思議そうに
説明 「砂糖茶」・・・お茶に砂糖を入れたものか、よく分かりません。 「茶」が難しい。 「匕」・・・『さじ』。スプーンの事。「匙」。 「右煎餅と」・・・「煎餅」も読むのは困難です。 「壱所尓」・・・一緒に。 「た遍゛させ」・・・食べさせ。「遍」は変体仮名の「へ」。「遍」に濁点が付いています。 「く連申候」・・・呉れ申し候。「連」は変体仮名の「れ」。 三行目、「右者」・・・右は。 「朝飯」・・・あさめし。 「と相見へ」・・・これが朝飯だと見えた。 「彼煎餅越」・・・『かのせんべいを』、あの煎餅を。 「何かと」・・・何だろうかと」。 「不思議そふニ」・・・不思議そうに。「ふ」は旧仮名遣い。