古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十九章 山火事に付き願口上控 その三十二

2013年11月08日 06時17分13秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十頁、上の四~六行目

 

解読 人々祈念之功徳ニ候哉 不思儀ニ風も小吹ニ相成

    雨も大分降かけ夫故

 

読み 人々祈念の功徳に候や、不思議に風も小吹きに相成り

    雨もだいぶ降りかけ、夫れ故

 

解説 「人之」にも見えますが、ここは「人々」です。 「祈念」・・・祈り念ずること。 「功徳」・・・『くどく』。良い事をしたお蔭。ご利益『ごりやく』。集まった人々のお祈りのお蔭。 「ニ候哉」・・・御利やくが有ったのか。 「不思儀」。「儀」に見えますが、「議」でも同じ様な崩しになる場合があります。熟語としては、「不思議」が正しい。 「風も小吹ニ」・・・ここの「小」は「北」の崩しにたいへんよく似ています。が「北吹き」という言葉は普通使いませんので、「小吹き」に読んでおきます。 六行目最初は難しいですが、「雨」。 「大分」・・・『だいぶん』、『だいぶ』、どちらでもよい。かなりに。 最後は「夫故」・・・それ故。其の為。「故」は形で覚える字。