古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十七章 潮岬会合 その五十一

2013年04月30日 07時19分34秒 | 古文書の初歩

 

潮岬会合「組中定書」第三ページ、上の画像の五~六行目

 

解読 組中水崎江寄合相談致、祓之湯銭をハ゛

    拾弐匁之内六匁ニ水崎江詫言仕相談相究

読み 組じゅう水崎へ寄り合い相談致し、祓いの湯銭をば

    十二匁の内六匁に水崎へ詫びごと仕り相談相きめ

 

解説 「組中」・・・組合の者一同。 「水崎江寄合」・・・御崎明神社へ寄り集まり。 「祓之湯銭」・・・お祓いをして貰う礼金。この場合、お湯上げ神事の御礼なので、「湯銭」と言っています。「湯銭」の「銭」は超難解。 「拾弐匁之内六匁に」・・・昔から定価十二匁と決まっていたが、半額の六匁に」。 「水崎江」・・・御崎神社へ。 「詫言仕」・・・『わびごと』仕り。この場合の「詫び言」は、お詫びする事ではなく、断りの意。皆で相談して、半額の六匁にして貰う様神社に頼む事に。 「相談相究」・・・相談して決めた。  


第十七章 潮岬会合 その五十

2013年04月29日 07時20分37秒 | 古文書の初歩

 

 

潮岬会合「組中定書」第三ページ、上の画像の三~四行目

 

解読 仕候ハゝ組中をはづし可申候。

    一御崎御湯銭、先年より拾弐匁ニ而候得共、此度

読み 仕り候わば、組中をはづし申すべく候。

    一つ 御崎お湯銭、先年より十二匁にて候えども、この度

 

解説 (延引)「仕候ハゝ」・・・延引仕りそうらわば。お祓いが延びたら。 「組中をはづし」・・・組の仲間から外す。除名する。 「可申候」・・・下から返って「申すべく候。」 「一」・・・一つ書きの第五番目。 「御崎」・・・『みさき』は「水崎」『みさき』と同じ。御崎明神社の事。 「御湯銭」・・・お湯上げ神事の御玉串料。神社への謝礼金。 「拾弐匁」・・・「匁」が難解字です。 「候得共」・・・そうらえども。十二匁であったが。 「此度」・・・この度。このたび。今回。


第十七章 潮岬会合 その四十九

2013年04月28日 07時32分10秒 | 古文書の初歩

 

潮岬会合「組中定書」第三ページ、上の画像の一~二行目

 

解読 ごとく御水崎ニ而祓可仕事。其はまり申舩ハ

    假令催促無之候共、早速祓可仕候。若祓延引

読み 如く御水崎にて祓い仕るべき事。其のはまり申す船は

    たとえ催促これ無く共、早速祓い仕るべく候。もし祓い延引

 

解説 「(先年)ごとく」・・・先年の如く。最初の文字は合成字で、「こ」の上棒と「と」が一つになっています。 「御水崎」・・・おみ崎。御崎明神のこと。「み崎」に「御」をつけた丁寧語。 「祓可仕事」・・・祓い仕るべき事。お祓いをしなければならない。 「其」・・・難解です。 「者満り」・・・はまり。変体仮名です。「はまる」は穴や深みなどに落ちること。 「申舩」・・・船が海中へ落ちる事ではなく、乗り組みの漁師が海に落ちた船は。 「假令」・・・『たとえ』と読む。仮に。 「催促無之候共」・・・催促これ無く候共」・・・催促が無くても。 「祓可仕候」・・・祓い仕るべく候。すぐにお祓いを受けなければならない。 「若」・・・もし。 「祓延引」・・・もしもお祓いの神事が遅くなったら。


第十七章 潮岬会合 その四十八

2013年04月27日 06時19分29秒 | 古文書の初歩

 

 

潮岬会合「組中定書」第二ページ、上の画像の七~八行目

 

解読 一 先年より水崎ニ而祓之仕方、地之事ハ上ハ

    住崎より下ハ山崎迄之内海江入候ハゝ、先年

読み 一つ 先年より水崎にて祓いの仕方、地の事は、上は

    住崎より下は山崎迄の内海へ入り候わば、先年

 

解説 「一つ」・・・一つ書きの四項目め。 「水崎にて祓いの仕方」・・・水崎明神『みさきみょうじん即ち潮御崎神社の事』でのお祓いの方法(仕方)。 「地之事は」・・・同明神の地先であるところの。 「上は住崎より下は山崎迄」・・・西側の住崎(地名)から、東側の山崎(地名)までのあいだ。 「内海へ入り候わば」・・・神社の領分とも言うべき海へ漁師が操業中に落ちた時は。


第十七章 潮岬会合 その四十七

2013年04月26日 07時34分30秒 | 古文書の初歩

 

 

潮岬会合「組中定書」第二ページ、上の画像の五~六行目

解読 其鰯其魚を組中江取、其舩ニハ過銭として

    水崎ニ而御湯上させ可申筈ニ相定候。

読み 其の鰯其の魚を組中へ取り、其の船には過銭として

    水崎『みさき』にて御湯上させ申すべき筈に相定め候。

 

解説 「其の鰯・其の魚」・・・突き捕ったイワシと魚を。 「組中江取」・・・この会合(組合)に参加している一同が没収し。 「其の舩」・・・ゑどこの鰯・魚を捕った船。 「過銭」・・・過料の金銭、即ち罰金。 「水崎」・・・『みさき』と読む。「水崎明神」の略。現在の潮岬は、昔は「水崎」又は「御崎」と書いて『みさき』と呼びました。現在の「潮御崎神社」は水崎明神『みさきみょうじん』と呼ばれていました。 「御湯上させ」・・・「お湯上げ」という神事をさせる。その為の費用を払わせると言うこと。 「可申筈」・・・申すべき筈」。御湯上げ神事を罰としてさせる事。 「相定候」・・・規則として決めた。