潮御崎神社古記録「乍恐口上」第五ページ、上の一~二行目
解読 立、足銀ニ仕上葺造宮仕候御事。
一、當閏五月十三日ニ大嶋浦庄屋作左衛門、出雲浦
読み (売り)立て、足し銀に仕り上葺き造宮仕候御事。
一つ、当閏五月十三日に大嶋浦庄屋作左衛門、出雲浦
解説 「賣り立」・・・『うりたて』一気に売り払い。 「足銀ニ仕」・・・足し銀に仕り。足りない金額をおぎなう事。 「足銀」・・・『たしぎん』。 「上葺造宮」・・・「上葺き」は屋根を重ねて葺く事ですが、ここの意味は、屋根も葺き重ねて、神社の修復が完成したと言う事実。 「一」・・・一つ書きの第五項目目『項目め』。 「當閏五月」・・・「當」は「当」の旧字体で、今年の閏月の五月。旧暦では年に一ヶ月を閏月とし、暦の調整をしていました。 「作左衛門」の次は「出雲浦」『いずもうら』です。「出雲」は教えて貰わねば読めません。この浦は潮岬半島の東側付け根の村落です。 潮御崎神社の他の文書によりますと、この時加田から松崎までの浦方から寄付された総額は、二貫五十五匁で、地元で調達した額は九百五十匁でした。その内訳は、竹四百束販売額が七百匁、苫五百畳販売額が二百五十匁でした。(串本町史より引用)