恐れ乍ら願い奉る口上覚え
「漂流外国物語」第百五ページ、上の六~七行目
解読 尓相成申候。
折々寺社へ参詣奉願、御役人衆弐人付添
読み に相なり申し候。
折々寺社へ参詣願い奉り、御役人衆二人付き添い
説明 「尓」・・・変体仮名の「に」。「明け放しに」。 「折々」・・・この字も読むのは難しい。 「参詣」・・・「詣」は薄くて読めませんが、文意から「参詣」と読みます。 「衆」も読むのは困難ですが、流れで読みます。
「漂流外国物語」第百五ページ、上の四~五ページ
解読 一、揚り屋入より始メ三日之程入口ニ錠をおろし弐人
ツゝ番越致相居候。夫より後々ハ入口茂明放し
読み 一つ、揚り屋入りより始め三日の程、入口に錠をおろし二人
づつ番を致し相居り候。夫れより後々は入口も明け放し
説明 「一」・・・一つ。一つ書きの一つ。 「揚り屋入より」・・・牢へ入ってから。 「錠」・・・錠前。鍵。 「弐人ツゝ」・・・二人づつ。 「番越」・・・番を。牢番を。牢の見張りを。 「相居候」・・・「相」が小さくて判りません。 以下略。
縦書きへの転換がうまく出来なくなりましたので、横書きで続けます。
「漂流外国物語」第百五ページ、上の一~三行目
解読 之上、髪結を呼ニ被遣、月代仕舞次第役人衆御引
取被成、湯ハ揚屋番所之内ニ大躰毎夕御座候ニ付
入湯仕候。
読み の上、髪結いを呼びに遣わされ、月代仕舞い次第役人衆お 引き
取り成され、湯は揚り屋番所の内に大体毎夕御座候に付き
入湯仕り候。
説明 最初は簡単な字ですが、読みにくい。「之上」と書いて「の上」。 「髪結」・・・床屋さん。 「呼ニ被遣」・・・呼びに遣わされ。呼びにやり。 「月代仕舞次第」・・・月代の散髪が終わり次第。 「役人衆御引取」・・・役人が退出する事。 「被成」・・・成され。 「揚屋番所」・・・牢の番人詰め所」。 「大躰」・・・大体。ほぼ。 「御座ゝニ付」・・・「座」の次の点は「候」です。最後の「仕」の次の点も同じく「候」です。
「漂流外国物語」第百五ページ、上の一~三行目
解読 之上、髪結を呼ニ被遣、月代仕舞次第役人衆御引
取被成、湯ハ揚屋番所之内ニ大躰毎夕御座候ニ付
入湯仕候。
読み の上、髪結いを呼びに遣わされ、月代仕舞い次第役人衆お引き
取り成され、湯は揚屋番所の内に大体毎夕御座候に付き
入湯仕り候。
説明 最初は簡単な字ですが、読みにくい。 「髪結」・・・髪結い。床屋さん。
「呼ニ被遣」・・・呼びに遣わされ。 「月代仕舞次第」・・・月代の散髪が終わり次第。
「役人衆」の下に「御」が有ります。 「御引取被成」・・・お引き取り成され。
御帰宅なされ。 「揚屋番所」・・・牢屋の番詰め所。 「大躰」・・・大体。
「御座」の右下の短い横棒は「候」です。