古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十三章 賣渡し申杉桧之事 其の八

2015年10月31日 07時21分13秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「賣渡し申杉桧之事」第二ページ、上の五~六行目

 

解読 右山林之義ハ六歩通りハ貴殿所持也。残り

    四歩通り當村所持之處、此度賣渡し申し候(得ハ)

 

読み 右山林の義は、六分通りは貴殿所持也。残り

    四歩通り当村所持の処、この度売り渡し申し候えば

 

解説 「之義ハ」・・・縦の棒が「之」です。「義」の崩しも難解です。 「六歩」・・・六十%。「歩」は読むのは困難。 「貴殿所持也」・・・「也」の崩しに注意。本文で何度も出ます。覚えて下さい。 「残り」・・・「残」の次に「り」が有るように見えます。 「四歩通り」・・・「四歩」も読みにくい。四十%。 「處」・・・この字は形で覚える字。


第五十三章 賣渡し申杉桧之事 其の七

2015年10月30日 08時19分49秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「賣渡し申杉桧之事」第二ページ、上の三~四行目

 

解読 此山境目之義ハ貴殿所持之證文ニ御座候

    通り也。

 

読み 此の山境目の義は、貴殿所持の証文に御座候

    通り也。

解説 「此山」・・・此の山。「此」も難しいですが、前ページに続き二度目です。 「境目」・・・これもなかなか読める字ではありません。前ページと同じ。 「貴殿所持之」・・・これも前ページと同じ。 「證文ニ」・・・「證」は「証」の旧字体です。前ページに出ました。下に小さく「ニ」が見えます。 最後は「御座候」。 「通り也」・・・「也」も難しい崩し方です。本文三度目。


第五十三章 賣渡し申杉桧之事 其の六

2015年10月29日 06時19分37秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「賣渡し申杉桧之事」第二ページ、上の一~二行目

 

解読 所者當村領とし連きと申山

    一、山林壱ヶ所 但し杉桧壱代切り

 

読み 所は当村領、としれきと申す山

    一つ、山林一ヶ所 但し杉桧一代切り

解説 「所者」・・・所は。場所は。「者」はヒラカナの「は」です。 「とし連き」・・・山の名前ですが、少し不自然な呼び名です。他の読み方があるのかも解りません。 「と申山」・・・これも読みにくい。 「一、山林壱ヶ所、但し杉桧壱代切り」・・・これは前項と同じ。「杉桧」・・・『すぎひ』と読みます。


第五十三章 賣渡し申杉桧之事 其の五

2015年10月28日 07時31分49秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「賣渡し申杉桧之事」第一ページ、上の九~十行目

 

解読 扨又此山之内、杉桧植場所御座候所ハ御植付

    被成候而も地賃入不申候筈ニ相極メ賣渡し申候。

読み さて又此の山の内、杉桧植え場所御座候所は御植え付け

    成され候ても、地賃要り申さず候筈に相決め売り渡し申し候。

解説 「扨又」・・・さて又。そして又。 「此山之内」・・・「此」が難しい。この山内で。 「杉桧植場所」・・・杉や桧を植える場所。 「御座候所ハ」・・・植える場所が有る所は。「候所」は一文字に見えますが、「候」と「所」二文字です。 「被成候而も」・・・成され候ても。成されても。「被」も文章の流れから読みます。 「地賃」・・・八行目にも出ました。読むのは困難です。 「入不申候筈」・・・「入り」は宛て字で、正しくは「要り申さず候筈」。地代は不要との取り決め。 「相極メ」・・・相決め。 「賣渡し申候」・・・そう決めて売り渡しました。


第五十三章 賣渡し申杉桧之事 其の四

2015年10月27日 09時31分39秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「賣渡し申杉桧之事」第一頁、上の七~八行目

 

解読 渡し申候へハ、貴殿勝手次第幾年成りとも

    立置候而も地賃壱銭ニ而も取り不申候。

読み (売り)渡し申し候えば、貴殿勝手次第、幾年なりとも

    立て置き候ても地賃一銭にても取り申さず候。

解説 「渡し申し」の次がはっきりしませんが、「そうらえば」と読んでおきます。売り渡した以上は。 「貴殿」・・・三度目ですが、難解です。 「勝手次第」・・・「手」が難しい。「次第」も形で覚える字。 次の「幾年」もそうです。 「成りとも」・・・「成」も読むのは困難。 「立て置き候而も」・・・伐採せずに置いても。 「地賃」・・・これも読むのは困難です。地代。 「壱銭ニ而も」・・・「壱銭」も読みにくい。 「取り」・・・「取」も形で覚える字。 「不申候」・・・申さず候。地代は一銭も取りません。