古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十九章 山火事に付き願口上控 その二十九

2013年11月05日 07時33分26秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十頁、上の四~六行目

 

解読 (屋)根江者弐タ所迄燃出し 直ニかけ登り火を消し

    あらき谷口之芝草へも

 

読み 屋根へは二た所迄燃え出し、直ぐにかけ登り火を消し

    あらき谷口の芝草へも

 

解説 「屋根江者」・・・屋根へは。 「弐タ所迄」・・・二所迄。『ふたところまで』。 「燃出し」・・・燃えはじめ。「焼け出し」ではなく「燃え出し」が正しい。 五行目最初は「直ニ」・・・すぐに。 「かけ登り」・・・「登」は初めての方は読めません。形で覚える字。 「あらき谷口」・・・漢字で「荒木谷口」と書きます。地名。 先日の言葉で「大東風」と出ましたが、読み方は『おおごち』でよいと思います。「東風吹かば匂いおこせよ梅の花」の「こち」。本来は、春に東から吹く風を言います。