古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十八章 「乍恐奉願口上書付」 其の二十六

2016年01月31日 08時22分11秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第六ページ、上の四~五行目

 

解読 罷帰り候儀ニ御座候。同人旅中ニ罷居候

    節も居所相尋、右之一条如何可致哉

読み 罷り帰り候儀に御座候。同人旅中に罷り居り候

    節も、居所相尋ね、右の一条如何致すべき哉

説明 「罷帰り候」・・・呼び寄せて、故郷へ帰りました。「罷り」・・・『まかり』は接頭語で、特に意味はありません。読むのは難しい。「帰」も難解。 「儀に御座候」・・・これも接尾語とも言うべき言葉で、丁寧な言い回しです。意味は有りません。 「同人旅中」・・・「旅」が難しい。 「罷居候節も」・・・ここの「候」も変わった書き方です。 「相尋」・・・「尋」も読むのは困難です。 「右之一条」・・・右に述べた一件。右に述べた一部始終。 「可致哉」・・・致すべきや。どうすべきか。「哉」は一行目に続き二回目です。


第五十八章 「乍恐奉願口上書付」 其の二十五

2016年01月30日 08時20分46秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第六頁、上の二~三行目

 

解読 故哉四五年已前欠落致余程久敷

    旅住居致御座候處、一類中より呼寄セ

読み (無之)故に哉、四五年以前欠け落ち致し、余程久しく

    旅住まい致し御座候処、一類中より呼び寄せ

 

説明 (致し方もこれ無き)「故哉」・・・故にや。「に」が書かれていませんが、文意から「故にや」としておきます。仕方が無かった故にか。「故」も「哉」も超難解文字です。 「四、五年已前」・・・四、五年以前。「五」も「年」も難解。「已前」・・・以前。「已」は「己」(き)と見えますが、己前ではありません。 「欠落」・・・「欠」と書く場合は、町民が失踪するケースに使用します。(広辞苑)。 「余程久敷」・・・余程久しく。「程」が難解です。文章の流れから読みましょう。 「御座候處」・・・「候處」が難しい。 「一類中」・・・親戚の中で。「類」が難しい。 「呼寄セ」・・・「呼」も難解です。


第五十八章 「乍恐奉願口上書付」 其の二十四

2016年01月29日 08時28分28秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第六頁。上の0~一行目

この頁も0行目がスキャン出来ていません。解読文でご辛抱下さい。

 

解読 (0行)返事ニおよび置候事ニ御座候。然處勘

    (一行)兵衛儀方々ニ借財多難渋致方も無之(故哉)

読み 返事に及び置き候事に御座候。然る処、勘

    兵衛儀方々ニ借財多く、難渋致し方もこれ無き(故にや)、

説明 (前段同様の)「返事におよび」・・・前段に述べたと同様の返事をして置いた。 「事ニ御座候」・・・事で御座います。 「然處」・・・然るところ。 「勘兵衛儀方々ニ」・・・勘兵衛儀方々に。勘兵衛さんの所に。 「借財多」・・・借金が多く。「多」の字は、形で覚える。 「難渋致方も無之(故哉)」・・・難儀する事も無い為か。


第五十八章 「乍恐奉願口上書付」 其の二十三

2016年01月28日 06時47分35秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第五頁、上の八~九行目

 

解読 (致)置、其後○○方与里暮ニ者不及申

    再三之催促有之節、再前段同様之

読み (致し)置き、その後○○方より暮れには申すに及ばず

    再三の催促これ有る節、再び前段同様の

 

説明 「(致し)置き」・・・其の辺の事にして置き。 「其後」・・・「其」が難しい。 「与里」・・・「より」。 「暮ニ者」・・・この字も読むのは困難です。「暮れには」。年末には。年の暮れには。 「不及申」・・・下から返って「申すに及ばす」。言うまでもなく。 次の九行目は、上の方が左側切れています。申し訳ありません。 最初は「再三之」。二度も三度もの。 「催促有之節」・・・これも読めませんが、「催促これ有る節」。「催促が有った時」。 次の字も解りにくいですが、「再」としておきます。再び。 「前段同様之」・・・前の段の話し同様の。


第五十八章 「乍恐奉願口上書付」 其の二十二

2016年01月27日 08時40分55秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第五頁、上の六~七行目

 

解読 返事ニおよび候義ニ御座候。折節○○

    方ニ疱瘡病有之其邊之事ニ致

読み 返事に及び候義に御座候。折節○○

    方に疱瘡病これ有り、其の辺の事に致し

 

説明 「返事ニおよび候」・・・返事をした。「候」は少し変わった崩し方です。 「義ニ御座候」・・・返事をした次第で御座います。 「折節」・・・ちょうど其の時。たまたま。「折」が読みにくい。 「○○方ニ疱瘡病有之」・・・疱瘡の病人が有って。 「其邊之事ニ致(置)」・・・勘兵衛さんに催促する様返事をし、その程度にして置き。