古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十九章 漂流外国物語 其の三七〇

2017年09月30日 10時34分48秒 | 古文書の初歩

 

「漂流外国物語」第百三ページ、上の一~二行目

解読 せず勧ら連茂せづ拝もせづ候事に候得共、追而

    相顕連候ハハ゛、いか様之御咎被仰付候共、何等申分

読み せず、勧められもせず、拝みもせず候事に候えども、追って

    相顕れ候らわば、如何様のお咎め仰せ付けられ候とも、何等申し分

説明 「せず」・・・聞きもせず。「須」は変体仮名の「須」です。 「勧めら連茂」・・・勧められも。 「せづ」・・・文字は薄くはっきり読めません。 最初の「せず」とこちらの「せづ」は仮名の文字が違いますが、意味は「しないで」。 「拝もせ川゛」・・・拝みもせず。「川」は変体仮名の「つ」です。 「候事ニ」・・・「事」は「古」の下に「又」と書く異体字です。 最後は「追而」・・・追って。 「相顯連候ハゝ」・・・相顕れ候はば。あとで分かったら。 「い可様之」・・・如何ようの。どの様な。 「御咎」・・・お咎め。 「被仰付候共」・・・仰せ付けられ候とも。「候」は付の右下斜めの短い線です。 「何等」・・・何も。 「申分」・・・「分」が解りにくい。「旨」と書いているのかも知れません。


第五十九章 漂流外国物語 其の三六九

2017年09月29日 08時43分06秒 | 古文書の初歩

 

「漂流外国物語」第百三ページ、上の七行目

解読 尚又、於外国切支丹ニ携候儀無之、見も聞茂

読み 尚又、外国に於いて、キリシタンに携わり候儀これ無く、見も聞きも

説明 「於」・・・於いて。難しい崩し方です。 「切支丹」・・・これも読むのは困難。何度も出るので何となく解ります。 「携候儀」・・・難しい。 「無之」・・・これも読めません。

 


第五十九章 漂流外国物語 其の三六八

2017年09月28日 11時50分44秒 | 古文書の初歩

 

「漂流外国物語」第百三ページ、上の五~六行目

解読 候。巳七月十三日長崎表江着仕候而より翌午二月

    頃と覚へ申候、御奉行衆之前ニ而御読聞せ有之

読み 候。巳七月十三日長崎表へ着き仕り候てより、翌午二月

   頃と覚え申し候、御奉行衆の前にてお読み聞かせこれ有り

説明 今日は比較的読みやすい様です。 「七月」の前に「巳」が有ります。 「

長崎表」・・・「表」は広辞苑によりますと、「そちらの方」と言う様な意味で

使うと載っています。現在では「長崎市」という様な感じで読めばよいと思います。

 「二月頃」・・・「頃」は難しい。 「御読聞せ有之」・・・「聞せ有之」が解りにくい。

 

 


第五十九章 漂流外国物語 其の三百六十七

2017年09月27日 10時18分26秒 | 古文書の初歩

 

「漂流外国物語」第一〇三ページ、上の三~四行目

解読 之国外国ニおゐて切支丹宗門ニ相携候儀無之哉

    之儀御吟味有之、夫より折々御呼出御吟味有之

読み の国、外国に於いてキリシタン宗門に相携わり候儀これ無きや

   の儀御吟味これ有り、夫れより折々お呼出御吟味これ有り

説明 (唐土)之国、外国におゐて・・・唐の国やその他の外国で。 「切支丹宗門」・・・キリスト教一門、キリスト教信者の事。 「相携候儀」・・・携わった事。 「無之哉」・・・読むのは無理です。文章の流れで推定。 「御吟味」・・・ここも読むのは難しい。 「折々」・・・ここも難しい。


第五十九章 漂流外国物語 其の三六六

2017年09月26日 08時51分29秒 | 古文書の初歩

 

 

 

「漂流外国物語」第一〇三ページ、上の一~二行目

解読 申候。揚り屋ハ拾五六畳程の間へ畳拾畳敷有之

    候。夫より五六日程ハ毎日毎日御白州江御呼出ニ而唐土

読み 申し候。揚り屋は、拾五六畳程の間へ、畳十畳敷きこれ有り

    候。夫れより五六日程は、毎日毎日御白洲へお呼び出しにて唐土

説明 「申候」・・・申し候。「P」の様な字は「申す」です。 「揚り屋」・・・

ここで初めて「揚り屋」と送り仮名が出ましたので、「揚げ屋」でなく

「揚がり屋」と確定しました。牢屋の中の一部屋です。 「拾五六畳」

・・・「畳」の崩しが難解です。以下続けて何度も出ます。 「程之間へ」

・・・ここも読みにくい。 「畳」・・・「たたみ」・「じょう」は畳の数の単位。

 「拾畳」の次の字は読めませんが、文意から「敷」と読んで置きます。

「十畳敷き」。 「御白洲」・・・読むのは難しい。「取り調べの場所。現代の

「法廷」。「おしらす」。 「御呼出」・・・お呼び出し。 最後は「唐土」・・・唐の国。

唐の国土。