古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十九章 山火事に付き願口上控 その三十八

2013年11月14日 06時17分30秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第十三頁、上の四~六行目

 

解読 火之元用心も随分気を 付巖敷相守り尚また

    先達而より段々之出火ニ

 

読み 火の元用心も随分気をつけ、厳しく相守り尚又

    先だってより段々の出火に

 

解説 「随分」・・・読むのは困難です。「分」は形で覚える。 「気を付」・・・気をつけ。「気」は独特の崩し方で難しい。  次も難解文字です。「巖敷」・・・厳しく。この時代は、形容詞の語尾の「・・・しい」を文語体で「・・・しき」と言いました。「敷」は「しき」の当て字としてよく使われます。 「相守り」の次は「当」の様ですが、ここは「尚」。 「また」・・・「た」は元の漢字「多」の崩しになります。 「先達而より」・・・先だってより。「達」はちょっと読めません。文章の流れから推定して後、字典で確認すると言う方法もあります。 「段々」・・・「段」も字の形からは想像出来ません。形で覚える字。 「出火」・・・「出」も回数が多いので慣れて来ると思います。