古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第四十一章 乍恐御断書付 (有田文書)其の十四

2015年05月31日 08時08分41秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

「乍恐御断書付」第三頁、一~二行目

 

解読 納得不申罷帰り候由。火の義ハ

    一大事之義ニ付、火を餘し候罪人

 

読み 納得申さず罷り帰り候由。火の義は

    一大事の義に付き、火を余し候罪人

 

解説 最初は「納得不申」・・・承知しない。理解しない。 「罷帰候由」・・・「罷り」・・・『まかり』は丁寧を表す接頭語。納得しないで帰った由。 「火之義ハ」・・・火事のことは。 「一大事之義ニ付」・・・一大事の事なので。 「火を餘し候罪人」・・・火を漏らした犯人。出火した犯人。


第四十一章 乍恐御断書付 (有田文書)其の十三

2015年05月30日 05時14分03秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

「乍恐御断書付」第二頁、上の十一~十二行目

 

解読 急度可申候様、使を以申遣候へ共

    其已来、否之返事も無之故、其後

 

読み 急度申すべく候様、使いを以て申し遣わし候えども

    其れ已来、否の返事もこれ無き故、其の後

 

解説 最初は難しいですが、二回目です。「急度」・・・きっと。 「可申候様」・・・申すべく候様。・・・必ず言いなさいと。 「使を以」・・・使いの者を寄越して。「使」も「以」も難解です。 「申遣候へ共」・・・申し遣わし候えども。申して寄越したが。 「其已来」・・・其れ以来。「已来」と読みましたが、これは自信がありません。 「否之返事も無之故」・・・やっていないとの返事も無いので。 「否」も間違っているかも知れません。「故」も或いは「処」かも知れません。此の行は自信がありません。お気づきの点はご指摘下さい。

      


第四十一章 乍恐御断書付 (有田文書)其の十二

2015年05月29日 07時47分35秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

「乍恐御断書付」第二頁、上の九~十行目

 

解読 付ケ届可致道理も無之儀ニ付

    何分火をかけ候者誰々との義

 

読み 付け届け致すべき道理もこれ無き儀に付き

    何分火をかけ候者誰々との義に付き

 

解説 「付け届け」・・・訴え出る事。 「可致」・・・致すべき。訴え出る事をする様な。 「道理」・・・理屈。理由。「道」の崩し字に慣れること。最も難しい崩し字の一つです。 「無之儀ニ付」・・・これ無き儀に付き。・・・する様な理由も無いので。 「何分」・・・「分」も何度も出ますが、形で覚えましょう。 「火をかけ候者」・・・火をつけた者。 「誰々」・・・これも読むのは困難です。 次は「との義」・・・「と」も「義」も読みにくい。


第四十一章 乍恐御断書付 (有田文書)其の十一

2015年05月28日 06時01分01秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

「乍恐御断書付」第二頁、上の七~八行目

 

解読 田并上村之者、火を付候儀慥成ル

    證拠等無之候ハゝ、急度ケ間敷

 

読み 田並上村の者、火を付け候儀慥かなる

    証拠等これ無く候わば、屹度がましき

 

解説 「田并上村」の次は、「之者」・・・田並上村の人が。 「火を付候儀」・・・放火したと言う事。 最後は読むのは困難ですが、「慥成ル」・・・『たしかなる』。確実な。 次の行始めも難解。「證拠」・・・証拠。『しょうこ』、「證」は旧字体です。 「無之候ハゝ」・・・これ無く候わば。確実な証拠も無いので。 次ぎも難しい、「急度ケ間敷」・・・『きっとがましき』、絶対に間違いのないと言う様な。


第四十一章 乍恐御断書付 (有田文書)其の十

2015年05月27日 08時02分24秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐御断書付」第二頁、上の五~六行目

 

解読 田并上村ニ者曽以覚へ無之候へ共、

    最早両度ニ付、付届致候ニ付而ハ

 

読み 田並上村には嘗て以て覚えこれ無く候えども、

    最早両度に付き、付け届け致し候に付いては

解説 「田并上村ニ者」・・・田並上村には。田並上村にとっては。 「曽以」・・・嘗て以て。未だ一度も。全く。全然。 「覚へ無之」・・・覚えこれ無く。思い当たる事は全然無く。 「候へ共」・・・『そうらえども』。・・・で御座いますが。この辺は超難解文字の連続です。 「最早」・・・『もはや』。ウカンムリに取と書いて「最」と言う字。「早」も形で覚える。 「両度」・・・二回目。 「ニ付」・・・二回目なので。 「付届」・・・訴え出る事。 「致候ニ付而ハ」・・・訴え出た事に関しては。