古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十九章 漂流外国物語 其の百三十二

2016年07月30日 07時52分06秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第三八ページ、上の五~六行目

解読 征てや路ふと仕形致見せ候。此船頭、名ハフランセンコウト

    毛ふし候なり。

読み 往ってやろうと仕形致し見せ候。此の船頭名はフランセンコウと

    申し候なり。

説明 「征て」・・・行って。「往く」=「行く」。 「や路ふと」・・・やろふと=やろうと。「路」は変体仮名の「ろ」。ヒラカナがたくさん出て来ます。「て」・「や」・「ふ」等々。 「仕形」・・・身振りで説明する事。 「致見せ候」・・・して見せる。 「此船頭」・・・「船頭」は「船長」の事。「頭」と言う字は難しい。 「毛ふし候なり」・・・申し候なり。「毛」は変体仮名の「も」です。見ても判りません。形で覚える。


第五十九章 漂流外国物語 其の百三十一

2016年07月29日 08時26分46秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第三八ページ、上の三~四行目

解読 一、右船之船頭躰之者、昼飯後我々江咄しニ罷越言

    葉ハ不相分候得共、爰に弐三日居候ハゝ、船ニ乗セて連帝

読み 一つ、右船の船頭躰の者、昼飯後我々へ話しに罷り越し、言

    葉は相分からず候えども、ここに二三日居り候わば、船に乗せて連れて

説明 「船頭躰之者」・・・船頭と思われる人。 「昼飯後我々江」・・・この辺はあまり難しい字は有りません。 「咄しニ」・・・話しに。「咄」は教えて貰わねば読めない字です。「咄」・・・音は『トツ』。「話す」と同じ。 「罷越」・・・罷り越し。『まかりこし』。「罷り」は丁寧な接頭語。来て呉れて。 最後の字は難しいが「言」です。次の最初の字も読みにくいが、「葉」です。「言葉」。 次も難解で、「不相分候得共」・・・相分からず候得ども。 「爰に」・・・ここに。 「弐三日居候ハゝ」・・・二三日居ったら。 「船ニ乗せて連帝」・・・船に乗せて連れて。「帝」は読むのは困難ですが、変体仮名の「て」です。


第五十九章 漂流外国物語 其の百三十

2016年07月28日 07時33分49秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

 

 「漂流外国物語」第三十八頁、上の一~二行目

解読 油を入、口を〆、濱へ古路者し出須なり。右等越船積致

    し近辺江商ひニ参り候舟と相へ申候。

読み 油を入れ、口を閉め、濱へころばし出す也。右等を船積み致

    し、近辺へ商いに参り候舟と相見へ申し候。

説明 「油を入、口を〆」・・・古文書は原則的に送り仮名は付けません。ここは其の典型で、「入れ」と「閉め」と読みます。「〆」は閉めるの略字です。なお送り仮名は、付ける場合も有ります。 「古路者し」・・・ここは変体仮名の練習です。「ころばし」、転ばし。 「出須なり」・・・出すなり。樽を転ばして運び、積み出すこと。「古路者し」・・・読むのは無理です。「出」の次は「須」・・・「す」。 「右等越」・・・右の荷物を。「越」は変体仮名の「を」です。 「船積致し」・・・ここは何とか判ります。 「近邊江」・・・近くへ。「邊」は旧字体です。「辺」。 「商ひニ参り候舟」・・・商売に行く舟と。 「相見へ申候」・・・見えました。 


第五十九章 漂流外国物語 其の百二十九

2016年07月27日 05時41分17秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第三十七頁、上の七~八行目

解読 濱へ引出須奈り。「絵」如斯之樽く連ハ、堅木ニ而鉄乃

    輪を入、両方底ニ而真中に口阿り、此口へ上戸ニ而両獣の

読み 浜へ引き出す也。(絵)斯くの如くの樽、くれは堅木にて鉄の

    輪を入れ、両方底にて真ん中に口有り、此の口へ上戸にて両獣の。

説明 「引出須奈り」・・・馬二匹で浜へ引き出す。「出」ず太く小さく読めません。「須」は変体仮名の「す」。「奈」は同じく「な」です。 「樽」の様な絵が有って、「如斯之樽」・・・「斯くの如くの樽」。「樽」も読みにくい。この様な形の樽。「斯」の崩しは読むのは困難です。文の流れから判断します。 「く連ハ」・・・くれは。「連」は変体仮名の「れ」。意味がよく判りません。一応「端くれ」と解釈して置きます。「端の方は堅い木で」。 「鉄の輪を入れ」。・・・鉄の輪を入れて、頑丈に作っている。 「両方底にて真ん中に口阿り」・・・両方の底の真ん中に口が有り。「阿」は変体仮名の「あ」。 「上戸」・・・「漏斗」。『じょうご』。酒などを注ぐ容器のこと。 「両獣」・・・「両」は牛と豚。「獣」はけだもの。


第五十九章 漂流外国物語 其の百二十八

2016年07月26日 07時15分45秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第三十七頁、上の五~六行目

解読 なり。此干肉之物を牛の皮之縄ニ而からミ荷造り、壱箇之

    目方弐拾〆目位廣き牛之皮へ乗せからミ付馬弐匹ニ而

読み なり。此の干し肉の物を牛の皮の縄にてからみ荷造り、一個の

    目方二十貫目位廣き牛の皮へ乗せ、からみ付け馬二匹にて

説明 (干候場所)なり。 「此干肉之物を」・・・干し肉の物を。この干し肉の品物を。 「牛之皮之縄ニ而からミ」・・・牛の皮で作った縄で巻き付け。 「壱箇之目方」・・・「箇」が難解です。一個の重さ。 「〆」・・・貫の略字。 「廣き牛の皮へ乗せ」・・・ここは判りやすい。 「からミ付」・・・巻き付けて。 次は欠けていて読むのは無理ですが、たまたま右側にフリカナを書いているので判ります。「むま」と書いています。「むま」は馬のこと。 「むま二疋ニ而」・・・馬二匹で。