古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十九章 山火事に付き願口上控 その二十六

2013年11月02日 05時55分08秒 | 古文書の初歩

霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第九頁、上の四、五、六行目

 

解読 不残銘々之家 防方ニ相懸り殊ニ永々

    之旱魃故水汲場遠ク

 

読み 者は残らず銘々の家防ぎ方に相懸かり、殊に永々

    の旱魃故、水汲み場遠く

 

解説 「者」と続きますが、最初の「者」は人で、次の「」は崩して、ヒラカナの「は」になります。この場合は字を少し小さく書くきまりがあります。(傍線部)。崩し方も少し違います。 「不残」の次は「銘々」。 「々」と「之」の区別は殆ど解りません。 防ぎ方に「相懸り」・・・「懸」が読みにくい。第八頁の三行目「打ち驚き」としましたが、今日の「相懸り」の「相」と全く同じ形なので、「打ち驚き」を「相驚き」に訂正させていただきます。 次は「殊ニ」。 「永々之旱魃」は読みやすい。 「旱魃『かんばつ』は日照り続きで雨が降らない状態。「永い日照り続きで」。 次の崩し字は「故」です。第八頁で説明した様に、この崩し方によく似た字は「様」と「処」が有ります。 「水汲場」はやさしい。次は「遠ク」。