啓蟄の今日、冬ごもりしていた虫が動き出す頃だそうだが、土の中から顔を出すのは虫だけではない。
春の訪れを今や遅しと待ち切れず、顔を出した草木の若い命は、生命力に溢れている。
春の訪れを今や遅しと待ち切れず、顔を出した草木の若い命は、生命力に溢れている。
生まれたばかりの小さい命はやがて大きくなり、葉を広げ花を咲かせて我々を楽しませてくれるだろう。
枯葉の中から顔をのぞかせた土筆も、早春の冷たい風に戸惑いを見せているようだ。
若い命は時に曲がって育つこともある。若さゆえに過ちを犯すこともあるだろう。才能ある若者の思慮を欠いた失敗が世間を騒がせている。彼の家庭事情もあったのかもしれない。今回の過ちで、これからの長い人生を棒に振るようなことなく、それを乗り越えて大きく羽ばたいて欲しい。
実は僕も中学生の頃、一度だけカンニングをしたことがある。そばにあった教科書をパラパラとめくってみたが、それを仲間に見られてしまった。先生にも告げられたと思うが、何のお咎めもなかった。
若いという字は苦しい字に似てると誰かが言っていた。19歳の若者は、土の中から顔を出した土筆のように、これからは大空に向かって真っ直ぐに伸びて欲しい。わが大辞林によると、啓蟄の“啓”は“ひらく”とも読み、再出発の意味もあるという。
「過ちて改めざる 是を過ちという」。学力優秀だという彼が、こんな格言を知らないはずはないのだから。。。