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勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

忘れる

2011-03-03 21:15:04 | Weblog
 春とは名ばかりの冷たい風に、思わずコートの襟を立てる。東京では、2月25日に春一番は吹いたものの、その後も春と冬が交互にやってきて、今日も真冬のような寒い一日だった。しかし、植物は確実に春を感じ取っている。 


 閉じた両手を広げると、中から春が飛び出してくるかのように、早くもわが家のベランダの都忘れが、遠慮がちに蕾をほころばせはじめている。どんなに冬が寒くても、時が来れば春は忘れずににやってくる。都忘れがそう言っているかのようだ。

 「都忘れ」の名は、佐渡に流刑の身となった順徳天皇が、毎日、都を思って涙にくれるある日、庭の片隅に咲く一輪の花を見て、その美しさに「しばし都を忘れさせてくれる」と言ったからとか。。。

◇忘れる◇

歳をとるたびに
いろいろなものを
忘れていくような
気がする

人の名前
いくつもの文字
思い出の数々

それを 寂しいと
思わなくなったのは
どうしてだろう

忘れてゆくことの幸福
忘れてゆくことへの
あきらめ

ひぐらしの声が
聞こえる

-柴田トヨさん-

 今年の6月が来ると満100歳になる柴田トヨさんの詩ではないが、物忘れが激しい今日この頃、それを淋しいと思わず、厭なことは忘れることで幸福と思えばいい。と言うのは負け惜しみだが。。。