勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

あざみの歌

2009-04-25 21:36:25 | Weblog
 冷たい雨の中、小田原の眼科の検診に行った。丘の上から見る緑は雨にけむり、行くたびにその色が増してくる。
 病院の敷地の草むらには、鮮やかな野あざみが、雨の雫に濡れて愁いを秘めた姿で佇んでいた。


山には山の愁いあり
海には海のかなしみや
ましてこころの花園に
咲きしあざみの花ならば

 雨の中、思わず口ずさんだのは、その悲しいメロディーと、格調高い詩に魅せられて、若かりし頃我が愛唱歌として親しんだ「あざみの歌」だった。

 昭和24年にNHKのラジオ歌謡として放送されたあざみの歌は、のちに多くの歌手が歌っているが、当時から聞き慣れた伊藤久男さんを超える歌を聞いたことがない。


♪♪♪
いとしき花よ 汝(な)はあざみ
こころの花よ 汝(な)はあざみ
さだめの径(みち)は はてなくも
香れよ せめてわが胸に

あああー

 この歌を聴くと、心の底から湧く、愁いと、悲しみと、切なさと、懐かしさが込み上げ、日本の叙情歌の素晴らしさをひとり噛みしめる雨の夜は、雫に濡れたあざみのように、心が洗われるおもいがする。