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確定申告に絡んで

先週で何とか確定申告を終えた。正確に言えば所得税の確定申告だ。
毎年の悩ましさ。何のためにこんな面倒臭いことをやっているのか。実は、既に所得の源泉で徴収されているので、税法上大抵は過払い状態になっている。それを自主申告で取り戻す作業、というのが実態だ。要は個別の所得状態を総合して“確定”して“申告”して過払いの“還付”を受けるためにやっている。だったらば、何故そんなことに何故四苦八苦するのだろうか。面倒臭ければ止めておけばいい。

いやいや、ここ数年確定申告をやっているが、毎年数十万の還付がある。収入の乏しい身にはこの還付は有難い。そこで深刻に申告!?することにしている。
さはさりながら、これが難関。何年やっても難しい、面倒臭い。そこで国税庁ホームページで必要な数字をインプットして、紙にアウトプットして、その結果を一通り相談会で税務当局者又は関係者に見てもらって出来る限り正しい提出を繰り返してきたつもりだ。見てもらえて正しい申告であれば、サッと申告書にチェックを入れてくれる。これがあれば安心なのだ。

だが実は、こうした還付金は結局のところ数か月後、健康保険で持って行かれることになる。つまり申告内容は全て基礎自治体に通知され、健康保険料に“適切”に反映されることになるのだ。結局は元の木阿弥になるのだが、放置すれば国税が不当に増加し、健康保険に入るべき資金が不足し、健保の財務状況が悪化することに繋がる。それは受益者一般には不利益なので、せっせと真面目に申告することが、“国民の義務”と考えているのだ。

そして何故、相談会でのチェックをわざわざ頼むかかというと、若い時に田舎の土地を売らざるを得なくなって、思わぬ収入があり、申告しなければならないことがあった。若気の至りで生意気にも、専門家に見てもらわずに自力で申告書を起こして、立派に適法に納税したつもりだった。
ところが、素人の申告ということで厳正にチェックされ、申告内容の誤りを指摘され加算税を徴収される羽目になった。これが私の生涯のトラウマになっている。申告書類を起こすには、所得の態様によって様々なコースがあるのだが、どうやらその最初の選択で解釈を誤ったようだった。素人には先ずもってその解釈が適正なのかが分からない。
後で知ったことだが、亡父の友人だった税理士に係っていればこのようなことにはならなかったようだ。だから申告書提出時に、“税理士さんに係っていますか?”と聞かれていたのだが、当然ノーと言って申告したのだった。

ところがである、今年は相談に行っても“チェックはしないことになりました”と無碍もない、冷たい対応。どうしてそんなに冷たいのか。焦ってそれでも、食い下がって前年の申告書まで見せると、前述のコース選択を誤っている部分があって、間違いを見つけてくれた。つまり金融機関からの源泉徴収明細をインプットする段階で、“分離”にするか“総合”にするかの選択ミスだったのだ。但し、このコース選択はどちらが正解ということでは、無いらしい。申告者がどうしたいかであって、前年と同様にしたいのであれば前年とはやり方が違っている、ということだった。
とは言え、前年申告も相談会で指導を受けた結果だったので、そのやり方を引継ぐのが正解であろう。もう一度、やり直して出直しとなった。後日、再度の相談会で確証を得ようとしたがそこでも“チェックはしない”とニベもない。そこで書類を整理して、バウチャー帳票の台紙貼付作業をしていると、“どうしましたか” と覗きこんできた相談者が居て、事情を言うと親切にもチェックして“問題ありません”と言ってくれた。現場にはこういう真面目で親切な担当官が居るもので、嬉しくもあり有難くなった。

私は環境マネジメント・システムの審査員をしているが、この税法ほどには厳密でもややこしくもないように思っている。それでも、手順通りできていない“組織”、というより“人”が如何に多いか。特に、その根幹プロセスの環境影響評価が適切にできていない。その意味、意義、重要性を認識していない事例が目立つ。
そんな人々も確定申告には参加しているはずで、全ての国民がこのややこしさの中で適正に申告できているのだろうか、と思ってしまう。また逆に、このように非常にややこしいにも関わらず、相談会で“チェックはしないことになりました”とはドユーコト?!何だか難しい話だ。

まぁ兎に角、所得税の申告をめぐって、当局の対応が毎年微妙に変化してきているのは事実だ。この相談会ではチェックしないという対応の変化もその一つだろうか。
昨年の変化で驚いたのは、その相談会のチェックで必要経費の領収書の具体的チェックをしなくなったことだ。それまでは、持参した領収書の合計とインプットした必要経費の合計が合っていなければ、合わせるように指導されたものだが、それが無くなったのだ。“後日当局から問い合わせがあれば、開示してください。それまでその領収書は保管しておいて下さい。”とのことだった。
そういうことのためか、最近税理士に相談した人の噂話では必要経費で、“あんたなら仕事上、本代に何万円は当然だろう、交通費も何万円”とかなりいい加減に水増し計上したという。そんないい加減なことならば、もっといい加減に水増し計上した方が“お得”だったのだろうか。多分、その人は税理士に係っているので、申告後は当局側でもフリーパスのハズ。そしてその税理士は相談料を“適正”に受け取るだけ?若干、違法スレスレ?
ところが審査員仲間の話を聞けば、今流行というか、当局おすすめのe-Taxでは源泉徴収票の貼付すらないので、全て自主申告とのこと。もっといい加減で済ませることが可能となっている由。ホンマカ??
これは本来ならば、税務申告の適正性を疑う大きな問題ではないのだろうか。財政赤字の中で納税の適正性の確保は重要な課題であるべきはずだが、そんな緩いことで大丈夫なのだろうか。

ここからは私の想像だが、税務当局はそんな水増しを見逃さない方法を抜け目なく担保しているはずだ。それは何かと言えば、かつては納税者番号のインプットであり、今はマイナンバーのインプットである。これによってITで“名寄せ”し、所得の大きな変動がないか、変動があればそれは適正な変動なのかを監視できる態勢を作っているに違いないのだ。番号が無くても名前と住所で十分に把握可能ではないだろうか。
この変動に対する内部基準から外れた申告者は徹底的にしかも自動的にその原因を調査されるに違いない。例えば、源泉徴収の実態は、既に各機関によって当局に報告されているから何が適正かは突き合わせれば間違いを指摘できる。必要経費も例年と大幅に違うようであれば、後日当局から事情聴取され、領収書明細の具体的提示を求められるハズだ。
当局にはこのようにほぼ確実に把握する周到な準備と自信があった上での、一見いい加減な申告を許すことになったのだろう。生活が安定しているにもかかわらず、申告内容に大きな変動があれば当局から目を付けられる可能性は高い。だから、もし大幅な水増し計上で例年より大きな還付金をせしめる積もりの人はこれから数か月後の事態を首をすくめて待つより外あるまい。兎に角当局からの“お呼び出し”に備える必要はあるだろう。
逆に、生活変動が大きかった年は、不適切な申告が可能となるチャンスなのだが、この操作は非常に難しい。

まぁ他人のことはどうでも、私は例年通り源泉徴収票も金融機関からの源泉徴収明細証明書も健保の払込み、保険の支払明細も必要な帳票はすべて取り寄せ貼付して、無事申告書の提出は終えたのだった。そして還付金も例年とほぼ同じレベルになっている。おそらく申告した通りの還付金が4月には降りるものと見ている。
これからは、必要経費に含まれる出張先での昼食をもう少し贅沢にしてせいぜい美味い物を食べて生活を楽しみ、少しでも世間の景気に寄与することが肝要だろうか。


ところで、テレビで言っていたがこの時期のストレスに“花粉症と腰痛と確定申告”があるという。私には昨年末からの腰痛と確定申告と、年度末集中のEMS審査も重なって、先週は物凄いストレスだった。それが原因で蓄積疲労となり風邪を引き、ストレスは返って増えてしまい、非常に困ったものだった。これからようやく元の平穏なマイペースの日々がやって来るのが楽しみだ。

前回も言ったが、一般国民はこのように苦労して“申告”しているが、果たして政府のお偉方は首相以下、適正に納税しているのだろうか。役人の忖度の御神輿の上で不真面目にもやり過ごしている政権メンバーでは、その確証は持てない。しかも日本では、それを確認しようとする声が全く上がらない。これも国民的忖度なのだろうか。それで民主主義を標榜する国家と言えるのだろうか。
“納税”は国家運営の点で非常に重要なポイントだと思うが、実態はどうなのだろう。何度も言いたい、日本は“法の下の平等”は厳格に保証されているのだろうか。この点でまさか中国や北朝鮮化していることは、ないだろうな。

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