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新緑まぶしい両神山 日本百名山(6/100)

2009年05月10日 | 登山・ウォーキング

P1000562  快晴の日曜日の朝、程よい疲れが心地よい。昨日は埼玉県の奥秩父の名山、両神山へ登頂してきたので、ご紹介したいと思う。

 朝4時に起床し、車で両神山荘を目指した。7時前には到着したのだが、両神山荘近くの駐車場は無料の駐車場は既に第2駐車場まで満車だった。かろうじて1箇所空いていたので止めることができた。そそくさと準備を整え、日向大谷登山口から歩き始める。ちなみに第3駐車場まであるが、かなり下った地点になる。

P1000567  両神という名前はいろいろと諸説ある。イザナギとイザナミの両方の神から取った等、古くから信仰の深い山であったことを窺わせる。実際に登山道には沢山の石仏等があり、この山奥にどうやって運んできたのだろうか、とか興味は尽きない。余談ではあるが、この近くの三峯神社もヤマトタケルノミコトを祀っており、どうして埼玉の山奥で神話に出てくる神々を祀っているのかもとても興味深いことである。近いうちに調べてみたいという意欲が湧いてくる。

P1000570  登山道は比較的整備されていて歩きやすいが、ところどころガレたところもあるので注意が必要だ。また沢沿いを歩くため、何度か沢を横切るが、前日までの雨のせいか水量が多く、渡る場所にも難儀した。気温もお日様が高くなるにつれて上がってきて、Tシャツ1枚で充分なくらいだ。もう初夏の陽気であり、この沢からの水飛沫が本当に心地よい。途中、会所という分岐点まではアップダウンの繰り返して、標高で言うと800m付近をウロウロしている。やがて登山道は角度を増して行き、900m、1000mと上がって行く頃には額から汗が噴出していた。新緑がまぶしい中、本当に気持ちの良いトレッキングだ。駐車場の車の数からしても多数の登山者が登っているだろうに、あまりお目にかかることもなく、静かな山行を楽しむことができた。やがて八海山という場所に出る。お酒好きな方には馴染みの名前だと思うが、きっと関係はないと思われる。ここにも立派な仏像が奉られてあった。

P1000575 スタートしてから八海山までは1時間半程度、更に高度を上げて40分程度歩くと、頭上に立派な山小屋が見えてくる。清滝小屋だ。ひとまず小屋まで上がって休憩したいところだ。清滝小屋は今では無人となり非難小屋として使うことができる。まだ新しい感じがするので、ちょっともったいない気がする。そしてここで大勢の方々が休憩していた。ベンチに腰を下ろしてチョコレートバーをかじった。疲れた身体にはこの甘さがたまらない。小屋のトイレも使うことができるし、裏には水場もあるので中継地点としては重宝するだろう。

P1000581   小屋の裏側から山頂を目指すために再び登り始める。ここからは急登の連続だ。角度の付いた山肌をジグザグと登っていく。歩き始めはあまり人がいなくて静かな山だな、と思っていたが、ここからは登山の人、下山の人がかなり入り混じって賑やかとなった。路肩の弱い場所もあるので、注意しながら足を進める。そして両神名物の鎖場のお出ましだ。連続する鎖場ではあるが、3点支持を意識して登ればそれほど困難な場所ではない。ただし息が上がるはどうすることもできないが。この鎖場を乗り切ると、一気に標高を稼ぐことができるので、周りの山並みも少しずつ確認できるようになる。また、今回楽しみにしていた「アカヤシオ」というツツジ科の花もチラホラと見れるようになってきた。両神では標高の高いところに咲くようで、下では見ることはなかったと思う。

P1000588_2  1時間程かけて両神神社に到着した。山の中の神社としては立派なお社である。二箇所のお社があるので、どっちが本殿なのだろうかと迷ったが、とりあえず両方に登山の安全祈願のお参りをした。ここにはベンチとテーブルが2セット程あって、食事をするには都合が良さそうだ。もう腹ペコでお腹がぐーぐー鳴ってはいるが山頂を見るまでは我慢だ!と軽く休憩をして先を急ぐことにした。

P1000598  ここから山頂まではコースタイムだと30分程度なのだが、徐々に人が多くなり、ペースが落ちてくる。すれ違いで待つ機会が多くなるからだ。それでも11時前には山頂へ到着することができた。小さな社がありさすがに信仰の深い山である。眺望は360度見渡せ、絶景であるが、残念なことに少し霞んでしまっている。それでも南アルプスの雪山や八ヶ岳までかすかに見ることができた。それにしても狭い山頂は押すな押すなの大騒ぎで、見ると次から次へと登山者が登ってくるではないか。ゆっくりと食事もできそうもないので、少し下ったスペースの取れる場所へ移動して、本日のランチタイムを満喫したのであった。

P1000602  写真は山頂から少し下ったところから見た秩父市街方面である。右よりにやや尖った姿を見せるのが奥武蔵の最高峰、武甲山である。その左手には秩父市街地が広がっている。雲ひとつない気持ちの良い眺望だ。

P1000605 下山は来た道を降りていくのだが、最大の注意点はやはり鎖場である。岩が濡れていると多少すべるものの、登りと同様に3点支持を意識して降りれば大丈夫だ。午後に入っても登ってこられる方々がたくさんいて、中々コースタイム通りに歩くことができないが、特に急ぐ必要もないのでのんびり下っていった。午前中はまだお日様が高くなかったせいか、新緑の黄緑色にあまり感動はしなかったが、午後は更にその色が増してきているようであった。本当に綺麗だ。沢も無事に渡りきって、スタート地点の日向大谷口まで戻ってくることができた。

P1000610  ここには両神山荘があって、無料の休憩スペースが提供されている。もし車の運転がなければ冷たいビールでもグビっといきたいところであったが、後でのお楽しみとして、山岳バッチを購入した。そして看板犬のポチ君が出迎えてくれる...と思ったが、この日はお疲れのようであった。

  都内から比較的近い百名山の両神山は、古くからの信仰を今も伝えている神秘的な山であった。今回の登山口へはバス便もあるようなので、登山口の山荘宿泊と組み合わせれば、もしくは清滝小屋での宿泊(自炊になるが)を組み合わせれば、じっくりと楽しめるのではないかと思われる。ちなみに今回ボクらの要した時間は、休憩含めて往復で8時間程度であった。帰宅してからの生ビールの美味かったことはもう言うまでもないが、本当に美味かったです、ハイ。