先般、臨終の時に「三つの愛着(弱点)」が起こると話しました。
「人事は棺を蓋(ふた)して定まる」とのお言葉があります。
人事の常ならざる、思いがけないことばかりが多い世の中ですから、平生の「覚悟」が最も肝要です。
「死也全機現(しや ぜんきげん)という道元禅師のお言葉があります。
「死は全機現なり」と悟る上は、「死」に二つはありません。
道元禅師曰く、「死の時、盡天盡地、一枚の死」なのです。
何も比較すべきものはありません。
只、「死のみなり」なのです。