「今の世」ほど、私たち衆生の置かれている環境は、
「死」のイメージに満ち溢れているものはありません。
核戦争の可能性、核武装の競争、東西両陣営の対立、
開発途上国の貧困と食糧問題、自然破壊、環境汚染、
エネルギー問題、犯罪率の上昇、麻薬、老人問題、
安楽死、癌、エイズ等々の不治の病、臓器移植、
格差社会、経済、移民、介護、福祉、人権、民族対立、
自然災害、株価の動向、等々と、次々に私たち衆生の
抱えている問題点を挙げていってもきりのないほど
あらゆる領域で、存在論的危機感が結集しています。
人類が、自然(じねん)を支配し始めたところに文明が
生じ、同時に人間(にんげん)と自然(じねん)との
離反が始まりました。
人類の繁栄という一面的な観点から、自然(じねん)の
征服を行い、飽くなき文明の促進の結果、今の異常事態に
到ったわけです。