「随他去(ずいたこ)」とは、他に随い去るということです。
他のものと共に随って無くなるという意味です。
「随う」ということは、「親しさの極まり」をいっています。
別の言葉で言えば、「距離(隔て)のないこと」をいっているのです。
考えなければならないことは、「他のものと同じように随って
なくなっていく」ということを、自分を除外して考えると、他に随って
無くなっていくものを自分自身が眺めていることになります。
いつでも「仏性」というものを認めて「そういうものだけが他にある」
というような考えを起こすと、自分を除外して、そして移り変わって
いくものだけを眺めているということになります。
これでは本当ではありません。
「移り変わっていくもの、それだけだ」ということです。
「順、逆」「苦、楽」ともに、みんな一つのものです。
他に随い去る距離(隔て)のないものなのです。