日本には春と秋のお彼岸と言うものがあります。
こちらの岸(此岸/ しがん) と、相手側に岸があり、それを 「彼岸」 と言っています。
ですから、彼岸に到るには修行が要ります。
その修行はどうしたらいいのか。
今のように私たち衆生は 「坐禅(禅)」 を修行するわけです。
彼の岸(彼岸) と、こちら側の岸(此岸) の間が非常に波立っているとします。
ちょうど、私たち衆生の感情と同じことです。
波立っている時、波の間には岸はありません。
「波」 という事実だけがあるのです。
私たち衆生が、不安とか、焦りとか、落ち着かないとか、そういう事実が
「波」 になってあるということです。
彼の岸(彼岸)を求めるから、ますます悩みが深くなるのです。
そうすると、どこに目的をおいて(目的を持って) 修行をしたらいいのか
という事が問題になってくるのです。
そこで、指導者は 「波に成りなさい」 というのです。
「波そのもの(いわゆる、不安とか、焦りとか、落ち着かないということ) に成って下さい」
と、言うのです。