一体おシャカ様は何を悟られたのでしょうか。
実は長い間夢を見ていた事に気が付いたのです。
夜明けの明星は何時も時間を違えずに在り、それ迄もずっとご覧になって居られたに違わないのです。
けれども、在る日刹那に本当に「自他」を離れてご覧になったという事です。
おシャカ様は「生老病死」という、人生の根本苦から解放されなければ、安心(あんじん)は無いだろうと一生懸命に菩提樹の下で座って居られたのです。
それがたまたま「十二月八日の夜明けの明星」をご覧になって「なあんだ、迷ったり不安に思うものなど始めから無いではないか安心や悟りなどというものは最初から在りはしないのだ」という事に気が付かれたのです。
そういう夢から目覚められた人を「覚者」或るいは「仏」といい「悟りー解脱」といっています。