「鷺鷥立雪非同色(ろしゆきにたつも どうしょくにあらず)」というお示しがあります。
これは「因縁生(いんねんしょう)」のことをいっています。
「鷺鷥(ろし)」というのは白鷺(しらさぎ)のことです。
鷺も白い、雪も白い、同じものであるけれども因縁によって一つは鳥、一つは雪という「差(しゃ)」が出来て来ます。
色は同じだけれども全然別のものであるということから、平等と差別(しゃべつ)ということを引き合いに出しています。
必ず平等だけでは有り得ません。
それには差別(しゃべつ)ということを引き合いに出しています。
必ず平等だけでは有り得ません。
それには、平等という添え物があります。
「鮎は瀬に棲む、鳥は木に留まる、人は情けの下に住む」という道歌があります。
鮎の季節になってくれば鮎は川の瀬に棲んで、鳥は木に留まっているもので、人は情けの下に住む、という一つのものですけれども「因縁生」に因って、鮎、鳥、人、みんな「住(棲)む」ところが違うのです。
「一つのものが縁に因って分かれていて、分かれながら一つのものである」ということを言っているわけです。