「死を成功」と見る宗教は仏教以外にありません。
「死の時」に極楽を求めるということは矛盾なのです。
「死、そのものは死なない」のです。
道元禅師は「この生死はすなはち仏の御いのちなり これをいとひすてんとすれば すなはち仏の御いのちをうしなはんとするなり」、と戒めて居られます。
道元禅師の歌に「面白や 散る紅葉ばも 自ずからなる 法(のり)のみ姿」と。
「死」は宇宙間の活動にして「死なくんば生死なし」。
「病人が健康に復するのは、病人が死するから」です。
「野蛮が死ぬから、文明が生まれる」のです。