活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

此の物2

2023年10月20日 | 法理

私たち衆生は何時の間にか不知不識(しらずしらず)のうちに「此の物を自分だと認識」してきました。

 

しかし、「此の物」は自分ではありません。「衆生」なのです。

 

「衆生」とは六道輪廻する存在なのです。

 

此の物は象徴に過ぎません。

 

そこで「此の物という象徴」と「本来の自己」との隔たりを無くさなければなりません。

 

問題は「すでに一体であり、一つの物であった」ということを「自覚」することです。

 

「私が目醒める」ということではありません。

 

「此の物が縁そのものに成る」ということです。

 

おシャカ様の最後の説法の一節に「仮に名付けて身と為す」というお言葉があります。

 

ですから、「此の物」を名付けて「此の身」と称するのです。