只今、正午。ここまで42km。秋の好天に恵まれ、本日三カ所目の石橋となる。幅が6.3mと広いのが第一印象である。明治15年から4年を費やして架設されたそうである。さすが名石工 橋本勘五郎、弥熊父子の手になった橋である。輪石(わいし)が寸分なく同じ大きさで美しく、その上に敷き重ねられた小さな石は必要なのかしらと思えるほど力強かった。一日に三回も感動したら、もう充分である。予定を切り上げ、帰ることにする。
急坂をあえぎ、さわやかな集落を抜けると、山あいの川にかかる大小二つの石橋と石畳がみえてきた。川の音に包まれ、大きく美しい。さらに、日向へ続く石畳(百六十段、約五百m)が木漏れ日でしっとりぬれていた。地元の人との会話を楽しむ。どこから、おいでなすった?・・・。あんぱんと牛乳の昼食をとる。帰り際、水路にかかる小さな石橋を見つけた。
御船町、木倉小学校近くに輝いておりました。感動のご対面でした。やはり、実際に見なくてはなりません。本やインターネット上の写真とは、こころに響いてくるものが違います。切り出された石のひとつひとつが川石で丁寧にくさび状につないであります。下から見上げると以外と大きい石橋でした。