たそがれ時のつれづれに

人生のたそがれ時を迎えて折々の記を・・思うままに

秋のお彼岸の中日

2013年09月23日 | 日記

岐阜県各務原市 瞑想の森 市営斎場(設計:伊東豊雄 構造設計:佐々木睦朗)

今日は秋分の日、雲っています。昨日イオン系スーパーでマレーシア産小菊を3束買った。2つは298円の輸入SPマムという。1束は大菊198円とすぐ枯れるので一番安いのを買います。受付カウンターで鋏を借りお墓用の供花を切った。ゴミはお姉さんがきれい片付けてくれた。後の1本が仏壇用です。

今朝、仏壇もお墓もお参りします。家の若い衆や孫は秋分、春分の日は仏事の行事がつきものとは、知らないらしい。お参りもしないのであろう。日本の伝統なので私の死後が心配だ。
昨日墓参の入り口で、丸々の足の短い犬を連れた老年の婦人のそばを通り過ぎようとしたら、30代の若い娘が用足しして戻って来たタイミングと一致した。「丸々と可愛いねえ、ちょっと太り過ぎだよ」とちょっかいを出すと、「ほんと、タバコの吸いすぎです」と、娘は当方をからかった。「そうかなあ」とお互い大笑いした。階段の上で子犬の洋犬を連れタズナを締めて待っていた男性は「こんにちは」と挨拶された。

図書館から借りてきた新刊
・NA建築家シリーズ 伊東豊雄 2013.4.30改訂版 日経BP社 3,500円 の豪華本

少しも読書が進んでいない。当方の市営墓地にある斎場は伊東豊雄氏の設計です。この本に少し紹介してある。
“岐阜県各務原市「瞑想の森 市営斎場」---屋根は厚さ20cmの鉄筋コンクリートでつくった自由曲面シェル(貝)構造屋根が特徴--- 敷地にため池があって、周辺を山に囲まれている。その周辺との関係をどう表現していこうかと、背後の山と穏やかに呼応しながら、一方では、水の波のようにも見える。屋根に限らず、そういう何か自然を連想させる建築をつくりたいという思いが最初にありました。
 ああいう連続する三次元の屋根は、福岡の「ぐりんぐりん」でも経験がありましたし、ベルギーのゲント市でのコンペでも提案しています。今回はこれらをさらに発展させる格好で、景観との融合を図ったわけです。“

と解説されている。開所式セレモニーに行ったことがあります。その前に氏の事務所宛、この世でわたしが最後にお世話になる大事な施設なので、気合を入れて作って・・とメールしました。驚いたことに氏から福岡「ぐりんぐりん」の写真と共に返信がありビックリしました。
その上開所式の挨拶で「市民からハッパをかけるメールを貰った」と紹介され二度ビックリしました。
「前日の夕方建物を観に来て周辺を歩くと、メールを貰った市民の方が言うように散歩に適した地でした」、と話され、式が終わって来賓と共に建物の紹介と周遊中、先生に「私です」と挨拶しました。弟子の方にツーショットの写真を撮っていただきました。保存しています。気さくな建築家でいい人です。その前に何度も墓参に来て建築中現場を見ています。
ガードマンにメールを貰ったと話すと、「先生が現場へ来られると大名行列のようです。本当に偉い人は頭(ず)が低いものです」と、正鵠をついていました。

先生の建築は代表作、仙台市図書館「せんだいメディアテーク」も、愚息の二男が仙台出向中に鋼管のチューブとガラスの城で半日遊んだことがあります。先生の奥様はNHK理事だった伊東律子氏で亡くなったね。

昨日、写真の御礼の電話をした同級生は「たばこだけ止めな」と忠告してくれた。もう遠くない近い日に、この瞑想の森で始末していただくことになるな。お墓から眺める斎場は優しく柔らかい。