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ユーモアと愛に溢れる『「ニッポン」社会入門』

2009年03月30日 | 世界に広がるマンガ・アニメ
◆『「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

「ニッポン」社会入門というタイトルは、一見堅そうだが、サブタイトルからも分かるように、イギリス人記者のユーモア溢れる日本観察エッセイである。ちょっと皮肉っぽい、しかし新鮮な目で日本人を観察し、私たち日本人も「そうかも知れない」と思わず苦笑いする‥‥そんな文章もある。しかし、日本と日本人への共感に溢れた温かい文章も多い。私たちの知らない日本の魅力がこんなところにもあったのかと沢山の発見ができる本でもある。笑いながら、一気に読み通すことのできる面白さだ。

たとえば「ガソリン・スタンドの従業員がお辞儀をしてくれると心が和む。歩道で工事をしているとき、工事現場にすでに円錐形の標識ではっきり示してあるのに、棒状の誘導灯を振って歩行者に回り道をするよう指示する人がはたして必要なのか、ぼくにはわからない。しかし、その人がまるで航空管制官のように注意深く熱心に、与えられた仕事を遂行しているさまには心から敬服してしまう」という一節がある。

ここにはちょっぴり皮肉も感じられるが、日本人への尊敬心も感じられる。そして何よりも思うことは、普通の日本人の大部分が与えられた仕事を熱心に誠実に遂行している‥‥そのような日本人の仕事への責任感や熱意にこそ、日本人の優れた特質があるらしい。コリン ジョイスというこのイギリス人だけではなく、多くの外国人が日本人について書いた文章を読むと、私たちには自覚しにくいそういう日本人と特質が浮かび上がってくる。

一人英国人記者の言葉だけでは心もとないかも知れない。朝鮮日報の東京特派員、鮮于鉦(ソンウ・ジョン)の記事を紹介しよう。

【コラム】あなたは世界最高ですか?(朝鮮日報;2009/01/02)
「韓国の足元が揺らぎ始めた昨年10月、世界最高のすし職人にインタビューしたことがある。世界的なレストラン・ガイドブック「ミシュラン」で最高の三つ星評価を2年連続で受けた水谷八郎さんだ。水谷さんに、すしのすべてとも言える魚とコメに関する話を聞き、日本という国がさらに遠く感じられた。

水谷さんは、自分で魚やコメ選ぶことはないという。「魚はなじみの魚屋の主人が選んでくれるし、コメはなじみの米屋の主人がいろいろな産地のコメを“黄金比”でブレンドしてくれる」そうだ。自身の「握り」の実力がどれだけ優れていても、魚屋の「世界最高の」魚を見る目と、米屋の「世界最高の」ブレンドの腕という基盤がなければ、世界最高にはなれないということだ。水谷さんのすし店も、魚屋も、米屋も、店の規模は決して大きくない。」

この記事の全文は、項目をあらためて掲載し、考えてみたい。要するに庶民のひとり一人が、自分の職分に責任をもって取り組むところに日本人の特質があるということだ。外側から見るとよく分かるそういう特質を、日本人はほとんど自覚していないのかも知れない。

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