先日ある会に出て、同じテーブルの仲間と歓談していたのですが、いつしか「めまい」の話になりました。なんと周囲の方3,4名が経験者だということがわかりました。
ぼくだけか、といささか不安を持つ日々だったのですが、こんなに同病者が多いと知ると、なんとなく安心したりするのです。
ある人は、東京の四谷の交差点の真ん中で発作を起こし、這うように交差点を渡ったという話を聞きました。またある人は会合の最中に崩れるように倒れた、という方もいました。また自分はいつも揺れているような感じですよ、と平然と話し、来年2月には、豪華客船に乗って2週間ヨーロッパの旅をしてきます、と回りがうらやむような話題を提供してくれました。
共通しているのは、いつ発症するかわからないので、外で起こることがいちばん怖い、ということ、首をタテに振るばかりです。
中には陽気に笑い飛ばしながら、ガリレオの地動説を思い出せばいいのですよ、地球が回っている証拠です、と。そんな愉快な心境にはなりませんよ、と返答しました。陽気なタイプと小心タイプの違いでしょう。
なんと言っても平均年齢が65歳くらいの集団ですから、どこが痛い、あそこがいたい、最近年を感じるね、など、なんだか満身創痍のような話を聞きますと、こちらも落ち込んでしまいます。そんな話が平気でできるのも面白いものです。
杖をついて、足を引きずりながら出席し、まためまいの話をしていると、食事のときの話題にしてはいささか暗めですが、これも長い人生を過ごしたがゆえに受ける報酬でしょうか。
それにしてはちょっと先が暗いですけどね。ま、お互いに健康でいたいものです。
やさしいタイガー