思い返せば、随分以前から水彩画を描いてきました。学生時代に文化展が催され、それに出展した絵が、水彩画の部で入選という思いがけない賞をもらい、それ以降すっかりよい気になって描き続けているのです。
札幌に来てからも、市内のいろんなところにスケッチに出かけ独り楽しんでいましたが、ある時、後に親友になる方の事務所をお訪ねして雑談をしている中で、ご自分も絵でも描いてみようかな、ともらされた機会に、とうとう引っ張り込んでしまいました。今では腕も上達され、感心するほどの素敵な絵を描かれています。
実はその方と一緒に、今の「水彩を楽しむ会」を作ったのです。すばらしい仲間ができ、生きがいに通じている今です。
いつのまにかたくさんの絵が溜まってしまい、どうしようかと考えていた矢先に、遠方に住む友人から2日ほど前に電話があり、地域に知的障がい者のための出会いの施設ができるので、資金確保のためにバザーをする。ついてはぼくの絵を幾枚か寄付してほしいとの要請の内容でした。
特段、もったいぶるような気もなく、もしぼくの絵でも役に立つのなら、と快諾しました。今手元には一冊20枚が描ける蛇腹型のスケッチブック4冊が完成品としてあるので、これを手放すなすことにし、ほかに10枚ほど加えて寄贈することにしました。
何も社会に役立つことをしていないぼくにとって、少しでも末席に座ることができるなら、と今はバザーの成功を祈る思いです。
それにしても、ぼくの絵を、と望んだ友人はどう評価してくれるのか楽しみだし、見知らぬ人の目に触れることで多少でも心を和ませることができたら、こんな嬉しいことはないと思っています。11月にバザーを開くそうですから、後日報告を心待ちする今です。
やさしいタイガー